2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

合格答案になるための「気づきのチカラ」

二次試験まで、残り10日あまりになりました。受験生のみなさんは、最後の追い込みの段階に入られていることでしょう。ここまでやった、あるいはまだここまでと、進捗状況は様々でしょうが、ここでみなさんに、答案作成にあたって留意していただきたいことを一つ述べさせていただきます。それは、みなさんの答案が、事例企業の社長さんにとって、何か気づきを与えるものでしょうかということです。

これまで、合格答案の作成で不可欠な要素についていくつか述べてきました。それらのほぼ全てについて、そのベースとなっている基本的な考えが、この「気づきを与える」ということです。二次試験では、自分だけが知っている知識や経験を書いてはいけないということ、読みやすい文章で書くこと、論点を整理して重要な順から書くこと、そして与件情報を原因とする因果の関係で説明することが大事だとお伝えしてきました。これらの全てが、事例企業が成長したり、目前の問題を解決するために、社長さんに何かを「気づいて」もらうためのものなのです。

どれだけ苦しい経営状況にある社長さんも、一国一城の主の誇りがあるはずです。また、中小企業の社長さんは、一部のブラック企業でない限り、いつも社員やその家族の生活を心配していることでしょう。そんな社長さんが「ああそうなのか、分かった!」とか「ああそうか、やってみよう!」と言えるような内容になっているでしょうか。

経営の革新や改善は、社長さん自身のやる気がなければ成功しません。そんな社長さんを励まし、やる気を高めて背中を後押しするのが、経営コンサルタントたる診断士の役目だと思います。コンサルタントフィーは、何ページものレポートや、小難しい分析のためにあるのではありません。コンサルタントフィーは、コンサルティングを通じて、社長さんが前に進む自信を手に入れる満足感に対して支払われるものであるはずです。

型やフォーマットでも、合格答案を作ることは可能でしょう。しかし、中小企業のコンサルタントとしての資質を評価するという点では、それだけでは不十分だと思います。予備校や勉強会での方法が身についているつもりでもなかなか合格に達しない方は、この「社長に気づきを与える」答案になっているかという視点から、ご自身の答案を分析してみてはいかがでしょうか。

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