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Ⅰはじめに

ねくすと勉強会に参加させていただき、その中で多くの受験生仲間との切磋琢磨の機会を得ると同時に、OBの方々からの適切なアドバイスを戴けたことで、私は今回漸く合格体験記を認めることができるようになりました。
私の合格は、ねくすととそこで出会った皆様方との出会いがなければ到底成し得なかったものです。
ここに、ねくすと勉強会と参加者の皆様方に改めまして深い感謝の意を表します。
また、ここで記させていただきます体験記が、来年以降の受験生にとって多少なりとも有益な情報となり、会の発展にわずかでも貢献できればと願ってやみません。

Ⅱきっかけ

私は建設コンサルタントでコンサルティングエンジニア⇒技術営業とキャリアを積んでおりましたが、公共事業の予算大幅削減という世の中の急激な変化に会社が対応しきれず敢え無く倒産してしまい、おかげさまで失職してしまいました。
私は、もう建設系の仕事に活路を見出す気になれず、技術営業に拘らず営業として建設系以外の仕事に就こうと考えました。しかし、社会の荒波は厳しく、どんなこともでもやります!とか○×業での経験は皆無です、なんて嘯くしょぼい学歴と資格しか持たない私に良い再就職先などそうそう見つかりません。いつしか以前取得のために頑張っていた技術士かそれに近い資格を取ってそいつで食っていくことを夢想し始めました。
そんな中で、どうせ資格を取得するなら、倒産体験を通して味わった辛い思いを他の人たちに味あわせないで済むような、企業をサポートするような仕事に使える資格がいいな、そういう資格はないかな?と考えて探していたら見つけたのが中小企業診断士でした。
元々コンサルタントという用語を標榜する業界だったせいもあり、コンサルという名前に違和感がなかったこと、報告書や論文作成を業務としていたこと、技術士受験のために文章を書く訓練を積んでいたこと、など種々の要因を勘案してみると案外自分に向いている資格なんじゃないかと勘違いしてしまいました。
勘違いとは誠に恐ろしいもので、実のところ記憶力も思考能力も他人様の半分以下という極めて能力の低い私が己を見失い、無謀にもこの厄介極りない試験に挑むという恐ろしい選択をしてしまったのでした。

Ⅲ受験履歴

2007 一次×1科目のみ科目合格(独学)
2008 一次×3科目のみ科目合格(独学)
2009 一次○ 二次(ACCB)×(ねくすと)
2010     二次○       (ねくすと)

独学で勉強を始めた当初は診断士試験の勉強の仕方が全く分からず、一次で思いっきり足踏みをしました。時間をかけた割に私の一次知識は極めて曖昧な上に乏しく、ねくすとに参加した2009年は周囲の受験生に置いて行かれないようにするだけで精一杯でした。

Ⅳ一次試験

一次試験に苦戦した私が言うのもなんですが、一次試験は過去問とスピ問を繰り返し解き、設問と選択肢の文章をしっかり理解すればまず合格します。
目安としての7・5・3は勿論ありますが、その回数にこだわる必要はありません。要はそれぐらいしっかり理解した、と自分で思えるぐらい勉強すればよいのです。逆に足りないと感じたら20・10・7でもなんでもいいですから、量をこなしましょう。

私自身独学中はやり方が判らないもので、思いつきで問題集を解いたり参考書をひも解いたりするだけで、効率的な勉強ができておりませんでした。
しかし、二次試験に必要な知識が圧倒的に不足していた私にはだらだらと長時間かけて様々な知識を幅広く取り入れる時期は、今となっては必要だったのかな?と感じていたりします。

Ⅴ二次試験

二次試験は診断士試験の本番といってよいでしょう。何度受けても受からず涙をのんで諦める人も多い、対処の難しい厄介な試験です。 この試験を突破するためには二方向のアプローチがあると私は思っています。 一つはねくすとの財産である再現答案から合格答案のレベル感を読み取り、それに合わせた回答を作成できるように自分を訓練する方法です。 もう一つは、自分とトコトン向き合うことで自分の欠点を抉り出し、克服することで地力をつけてどんな問題が出ても対処できるようにする方法です。 どちらかのやり方が正しいのではなく、どちらのやり方が向いているか?ということだと思います。 自分は二番目のやり方を選択しましたが、一番目のやり方を選択していたら多分いつまで経っても合格しなかっただろうなぁ、と思います。いわば、自分には無理なアプローチです。 具体的に自分がやってきたことは以下の通りです。

①トコトン自分の頭で考える

とにかく受験校の回答や合格答案等を全く目にせず、自分の頭で考えて回答することに拘りました。当然、自分のクセ全開で書いた回答はつっこみどころ満載でねくすとの議論では集中砲火を浴びるどころかまるで相手にされず、他の受験生の皆さんとの差の大きさを思い知らされました。 ねくすとの議論ではまるで相手にされませんでしたが、ここで自分のクセを嫌というほど思い知らされたことが結果として自分にとってどれだけプラスになったか図り知れません。なんといっても自分の悪いクセを早いうちに知ることが出来たのです。まずはその悪いクセ〝与件から外れて妄想を膨らませる〟ことが読み取れたことだけでも大収穫でした。

②与件の中に書かれていることを整理整頓する

自分の妄想癖が一体どこから来るのか?
与件と設問と自分の回答とを突き合わせて考えていくうちに見えてきたことは〝与件に書かれている情報を正確に読み取れていない〟という致命的な欠点です。
そう、できるだけ早く読もうとするあまり読み飛ばし、誤読、与件内での因果関係を正確に読み取れていない、といった現象が生じていたのです。
そこで、自分は社長がどんな思いで何をして結果どんなことが生じたか?を事例ごとに書き出し、事例内での因果関係を丁寧に解きほぐすことで与件の整理整頓を必ず行うようにしました。
この作業は恐ろしく時間がかかり面倒でしたが、与件を作っている出題者のクセや訊かれていることとそれに応えるための材料のレベル感が次第に鮮明になってきました。
与件の整理整頓は私の用語なので判りにくいかもしれませんが、私的にはこの作業を繰り返したことで得られたものは大変大きかったので、与件の読み飛ばしや文章に因果が繋がっていないという指摘をしばしばされる方は自分なりに一度やってみることをお勧めします。

③与件の言葉を使い訊かれていることにキチンと答える

2009年の試験を終え、落ちたことを確認した後は自分の再現答案と徹底的に向き合いました。この時が診断士試験を受けた中で一番苦しく辛かった時期でした。
しかし、この再現答案と向き合って乗り越えなければ絶対に自分の進歩はない!と信じ歯を食いしばって向き合いました。自分が書いた再現答案は可愛さもありますが、やはり自己を正当化しようとするあまり曇りのない目で向き合うことが難しいものです。
一番大事な論点に気づいているんだからそれを書いてあればOKでしょ?とかココは他の受験生がちっとも気づいていない論点なんだから採点を甘くしてくれてもイイじゃないとか、再現答案の自己正当化を知らず知らずのうちに行っていた結果、目にフィルターが掛かっているんですね。ココを素直な目にできるようにするために、本当に苦労しました。

そのフィルターを引っぺがし、何度も何度も繰り返し与件を読み、再現回答を読み、結局気付いた点は一つ。訊かれたことに対してキチンと答えていないよね、ということでした。

この試験では盛り込む内容も重要ですが、それを書き込む入れ子というか体裁もとっても重要なんだと気付いたのがこの時です。訊かれたことに対してドンピシャで答える体裁と、大外ししていない内容がキチンと盛り込めていれば、まず受かるんじゃないかと漸くぼんやりと見えてきました。

この時以来、与件文からのコピーアンドペーストをなんの後ろめたさも感じず堂々と行えるようになってきました。また、密かにバカにしていた「理由は…」「根拠は…」「短所は…」といった重複する主語を臆面もなく多用するようにもなってきました。こういった主語は、訊かれたことにキチンと応え外さないようにするために非常に有用であると、今は心から思っています。

④他人にあれこれ言われたことを一々全部とりいれず、一度自分の中で咀嚼してから取り入れる

OBの○×さんがこう言ったからそれを取り入れた、とかみんながやっているから写経をする、とか仰る方がいらっしゃいます。勿論人に言われたことを素直に受け入れて実行することは、合格への近道です。
でも、ある程度勉強が進みますと自分固有の課題を其々のやり方で解決していく必要性に迫られます。そんな時に、ああ言われたからこうしたとかこう言われたからああしたとかいうのでは、あまりにも主体性がなさ過ぎます。
自分固有の課題は、あくまでそれを抱えているその人だけの課題なんです。ですから、その解決策はやはり自分で見出すしかありません。

例えば、私は2010年に関して言えば模試を一切受けませんでしたし、金輪際写経なんてしたこともないです。同時にMLでのつっこみも答案アップも今年は全くしませんでした(これは威張れることではないですよね、スイマセン)。
でも、OBさんに言われて始めたわけではない自分独自の手法である与件の整理整頓はどんなに時間がなくとも目の色変えてやりました。
これは自分だけこうするといって我を張っていたのではなく、自分の課題解決に必要なことはしたけれど不要だと思われることは切り捨てていたということです。ただ、受験生が自己判断で課題がこうだと決めつけてしまうと、回答が変な方向に向く可能性があると思いましたので、回答のチェックだけは逐次OBさんにお願いしておりました。

言われたからやる、じゃダメなんです。言われたことを元に自分のダメなところ見つけ出し、そのためにどうするかを【自分で考え】、解決のために計画を立て、実行し、チェックしてもらうというプロセスをキチンと踏まえなければ自分独自の課題は絶対に解決できません。

Ⅵ本試験

私は本試験に臨むにあたり以下のことを決めました。

①受験会場ではじたばたしない。やるべきことはやったので、堂々と試験を受ける。
②必ず受かるという自信を持つ。
③自分の回答プロセスに従い、淡々と升目を埋める
④どんなに素晴らしい回答を思いついてもそれは他の人が必ず気付いていることなので、興奮しない、自分に酔わない。
⑤昼飯はバナナと餡パンのみ、眠くなるので腹いっぱいにしない。
途中で集中力を切らすことなく、無事上記の取り決め通りに試験を終わらせることができました。内心、これはいった!とその時感じたことは内緒です(笑)。

本試験は、一年間かけて準備してきたことをプレゼンする場です。そういう意味では試験場に来る前に既に勝負が決まっています。ですからたまたま受かるということは殆どありえません。受かるべき人が受かるのがこの試験です。

Ⅶ試験後~発表

試験直後は、いったか?!なんて思ったりしましたが、日が経つにつれ「ああ、ココ外してる!」「ココもだめだ…」「ヤバイ、これはダメだ…」という具合で自信がみるみるしぼんでいきました。与件を読んでも設問を眺めても、再現答案を見ても絶望感が募るばかりです。
仕事が繁忙期に突入したこともあり、仕事に没頭し試験のことを忘れようとしていました。いわゆる現実逃避ですね。
発表の日には、09OBの合格体験記に当日協会から手紙が来たという家からの電話で合格を知った方がいらっしゃって、ジタバタしてなくってカッコいいなぁと思って自分も敢えて確認作業をしませんでした(実際受験票をどっかやっちゃったんで、確認のしようがなかったんですがね)。
12月10日は帰宅しても手紙は来ておらず、ああ、こりゃダメだと落ち込みながらMLに不合格を報告いたしました。
ところが。
翌日の午後、家から電話があり協会から書留が来ているとの知らせです。やった!合格だ!
できるだけ早く家に帰り手紙を確認しましたが口述試験の受験案内であり、間違いなく筆記試験に合格したことを知らせてくれた手紙(ハガキ)でした。
改めてMLに報告するとともに合格者にも連絡し、ねくすとの10OBの文字通り末席を汚させていただくことになった次第です。

以上が私の合格体験記です。
拙く、とりとめのない内容で申し訳ございません。
この合格体験記が僅かでもこれから受験する方々のお役にたてれば幸いです。

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