なみ

1.受験暦

2009年 1次合格   2次不合格(CBCD)
2010年 1次受験せず 2次合格
2008年12月の勉強開始から、ねくすと勉強会に初学者として入会し、基本的に2年間ねくすとでの勉強を頼りに進めてきた結果、2次試験に合格することができました。
ねくすとでの経験がなければ、合格は勿論、勉強の継続も無理だったと思います。
この合格体験記は、自分の受験経験を時系列に書いたものではありますが、少しでも今後の受験生の皆さんの参考になればと願います。

2.受験の動機

2007年4月の会社の定期昇格、私としては、少なくともこの年に自分は管理職に昇格すると考えていた。しかし、その年には昇格しなかった。その時は気落ちしたのを覚えている。その後、気持ちを切り替え、自分に足りないものがあるんじゃないか?と考え、色々と本を読み始めた。そうすると、いかに自分の視野が狭かったのかが浮き彫りになってきた。それから、今までの遅れを取り返せとばかりに色々と勉強し始めた。ビジネス書、社内外の研修やセミナー等、興味が出たものは手当たり次第に手を付けた。

社外のセミナーでは他の参加者と話をする機会があったが、みんな自分の仕事の魅力や誇りを熱く語っていた。一方、私は言葉に窮した。自分の会社が提供している価値の本質や、自分の業務がどの様に関連しているかの理解も曖昧だった。もっと会社の運営や自分の業務を高い視点から見られるようになる必要があると感じた。同時に会社に依存するのではなく、社外でも通用する人材になりたいとも考えた。結局、1年昇格が遅れたことは、自分の課題を明確にすることができたことで、逆に幸運だったと考えることにしている。

2008年12月始め、今まで勉強して来たことを振り返り、中小企業診断士の資格を目指すのが、自分の課題を解決するのにベストではないかと結論づけた。実は2007年に手当たり次第に手を付けた中に、中小企業診断士の通信教育も含まれていた。しかし、当時は内容が重過ぎるのと、他にも勉強したいことがあったので、企業経営理論の一部をやっただけで放っておいた。それを本格的に目指すことに決めた。

ただし、内容からして独学では無理だと思っていたので、何か良い方法がないかとネットで検索し、ねくすと勉強会の存在を知った。しかも、参加者募集のオリエンテーションがすぐにある。これは何かの縁だと感じて、すぐにオリエンに申し込んで参加した。参加して感じたのは、参加者の資格への思いの強さやモチベーションの高さ、そして自分の様な初心者は場違いなんじゃないかということだった。それから参加意思表明期限ギリギリまで参加するかを迷った。
今までの自分であれば、そこで行動を起こさない選択をする可能性もあったが、この時は行動を起こして、参加意思表明することができ、自分の人生のターニングポイントとなった。

3.受験勉強【1年目 2009年】

ねくすと勉強会への参加が認められ、1次組みのスピ問(スピード問題集を回す)組に入り勉強を開始した。案の定、圧倒的な知識不足で、付いて行くのがやっとだった。最初の科目は財務だったが、それまで財務とはあまり関わりがなかったので、予習はテキストを読みながら解くだけで精一杯で、勉強会では自分で解いたノートを見ながら説明しているという状態だった。

その様な状況が何回か続いた時に、あるOBから「ノートを見ながら説明する程度の予習で勉強会に参加するのはあまり意味がありませんよ。予習で自分の言葉で説明できる位まで理解して、勉強会ではそれをアウトプットする。そうしないと、折角、勉強会に参加しても得られる気づきは多くはないと思います。」と指摘された。全くその通りだと思った。自分の勉強会に対する姿勢が甘かった。まずは、月曜日中には予習を終わらせ、火曜と水曜に見直して理解する時間に当てることとし、勉強会の場で何も見ないで説明できるレベルにすることを目標にした。

そうしている内に、あっという間に2月後半になっていた。ねくすとでは、3月から第2クールに入る。その前に現状の自分の状況を分析した。既に勉強開始から2ヶ月経過した。残りの勉強期間は5ヶ月強しかない。勉強会では、他のメンバーの実力には遠く及ばず、毎回劣等感を感じている状況だ。このままのペースでは5ヶ月で合格レベルに達するのは無理だと思った。元々、ねくすとでは、1次の勉強は7・5・3だということが言われていた。スピ問を7回、過去問を5回、模試を3回、回す位の勉強量が必要だということだ。今のペースは確実に遅すぎると悟り、今後の計画を見直すことにした。

色々考えたが、結局決めたのは1つだけ、土曜日の勉強会どねくに参加する、ということだった。当時のどねくは、主体となっている受験生が、すいねくとのバランスを考えたカリキュラムを組んでくれており、そのペースに付いていくことで、かなり効果的な勉強ができると考えた。すいねく&どねくの予習、復習をするだけで目一杯になりそうなので、他に手を付けて、それらの勉強の質を落とすということはしない方が良いだろうと考えた。GWまでは、すいねく&どねく対応に集中した。

GWには、ニーズにより企画が立ち上がるが、その中で中小スペシャルに参加した。3日間連続で、数人で白書や施策の読み合わせや確認を行った。一人では、それ程の時間を集中して勉強することは不可能なので、有益な時間だった。その他、財務の模試の問題を解くスペシャル等にも参加したと思う。GWは課題がはっきりして来る時期でもあり、課題となる科目への対応等を集中的に行えるチャンスなので、ここをどう過ごすかは重要だと思う。

GWまでで、各科目を少なくとも1回転はしたので、それ以降は予定を組み、回転の速度を上げていった。日曜日も家に居ると、集中して勉強することが難しかったので、何人かのメンバーで集まって勉強したりした。1次試験直前の1週間は休みを取って、最後の仕上げをして試験に臨み、合格することができた。

■1次試験まとめ

1次試験は、受験校で勉強するのが効果的だという声も聞く。それも一理あると思う。しかし、私が、初学者として入り、ねくすとの7ヶ月半の勉強で1次合格できたことを考えれば、ねくすと勉強会を活用することで、効果的なレベルアップが可能と考えている。効果的なレベルアップへのポイントとして、以下の項目を挙げておいた。その他にもあると思うので、他のメンバーやOBにも相談して頂ければと思う。
1.予習を十分に行い、自分の言葉で説明できるようにしておく。これを行わないと、折角の議論形式の勉強会での気づきが得られない。自分の言葉で説明することで、理解が不十分なところは浮き彫りになるし、2次試験に通じる知識として定着することにもなると思う。
2.初学の人は、初めのうちは、経験者の人に教えてもらったり、受け取ることの方が多いと思う。他のメンバーとのレベル差を客観的に捉え、まずは、その人達に伝わる説明できるようにすることを心がける。1回転するまでが一番厳しい時期なので、心が折れないように自分をコントロールし、早く追いつくことをモチベーションに変えることを意識して、厳しい時期を乗り越えてほしい。
3.1次試験は科目が多いので、苦手な科目や課題とするものが人それぞれ違うことが多い。特に後半は、同じ課題を持つメンバーを探して、その課題を解決するグループを作ったり、自ら自分の課題を解決するアクションを取る。
1次の勉強を議論形式で行っている意味を理解し、一人だけでなくチーム全体の底上げを意識することで、効果的なレベルアップが可能だと思う。

2009年 2次試験

1次合格してから、初めて2次の勉強をスタートした。今考えると、内容は合格できる勉強内容ではなかったと思う。2次試験がどういうものかをよく理解しないまま、すいねく&どねくに参加したので、事例を深く考えることができていなかった。方向性についても、この時期に説明を聞いても混乱するだけだというOBのアドバイスもあり、方向性の詳しい説明は聞かなかったが、勉強会では説明を求められるので、見よう見まねで方向性を書いていた。解答を仕上げてから、解答に合わせた方向性を最後に書くことも多かった。

その様な状況のまま、本試験に臨んだので、各設問対応での解答しか書けず、結果は惨敗だった。次の年は最初から2次試験を勉強しなおす必要があることを認識した。今回は全くダメだったが、自分の強みは幾つか認識できた。
まずは、文章の読みやすさ。解答を自分の言葉でまとめると、初期の段階から読みやすいと言われた。不思議な感じだったが、自分はこの試験の解答の文章作りには向いていると考えることにした。だから、他の人の解答を写経することは一度もしなかった。自分の解答の焼き直しだけを行っていた。
次に、本番対応。1次試験、2次試験とも、いつもと変わらない精神状態で対応できた。2次試験不合格の報告をMLでした時も、試験当日応援に来てくれていたOBから、当日の朝は余裕が感じられたので、合格するかと思った、と言われた。本試験を模試を受ける時と同じ様な精神状態で対応できるのは、アドバンテージになると思った。

4.受験勉強【2年目 2010年】

前年の2次試験不合格を受けて、今年は2次試験の対策を始めからやり直そうと思った。考えてみれば、合格するのに求められているものも理解しないまま、それらしい解答を書く練習をしていた様な勉強だったと思う。年が変わった時期は「自分の課題は分かっていますか?」という質問がOBや他の受験生の口から出ていた。まずは、自分の課題を明確にしないことには、的確な対策も打てないからだ。

そこで、自分の課題は何かと考えた。でも、課題はぼんやりとしていた。去年の2次の勉強を(それなりに頑張ったが)何となくしていたからだろうか。課題が分からないのが課題になって来た。そんなことも言ってられないので、とりあえず、自分のSWOTをすることにした。

強みは、文章力と本番対応で分析済みだ。機会は、ねくすとでの議論を重ねられることだろう。脅威は、やっぱり仕事だ、権限委譲して自分が居なくても回るようにすることを目標にした。すいねく&どねく両方に参加することは決めていた。弱みは、合格答案というのが何か分かってないこととした。弱みは他にも沢山あったが、合格答案がどういうものかイメージできなければ始まらないので、強化ポイントとした。ということで、自分の課題は「合格答案が何かを突き詰めること」にしておいた。後で考えると、課題設定したら、その課題への対処をどうすべきかをOBに相談しておけば、アドバイスも頂けて良かったかなと思う。

その時期に行っていたのは、まず自分で解答を作成し、その後に合格者の再現答案等と比較し、自分の解答がどれだけ問われている(と思われる)的に当たっているのかを確認して解答を作り直す。それをすいねくに持ち込んで、議論でつっ込みをしてもらい、再度、解答を練り直し、どねくに持ち込んで議論をする、という流れを事例ごとに繰り返すことだった。これにより自分のベスト答案のレベルを上げていこうと考えていた。

当初の予定では、上記の勉強法を繰り返して、合格答案のイメージを掴み、6月か7月から、80分の解答作成プロセスを検討したいと思っていた。しかし、予期せぬ事態が発生し、3月中旬から約2ヶ月間勉強ができないブランクの期間ができてしまった。復帰後も、モチベーションを元に戻すまでに1ヶ月位かかったと思う。既に6月に入っており、遅れを取ったのを否めない。でも、やれることをやるしかないと考えた。

まず、1次試験は受験予定だったが、受けないことにした。少なくとも試験前1週間位は勉強しないと、どの科目も簡単には合格しないだろうし、自分にはその時間は無いと考えたからだ。まだ、これが合格答案だというイメージは掴めてなかったので、1次試験終了までの時期を目標に合格答案のイメージを掴みたいと思った。

この時期辺りから、方向性のてっぺん(目標)の書き方を厚くすることを意識し始めた。事業拡大や売上向上では、一般の企業が普通に目指すことと同じなので、事例企業なりの目指すものをイメージするのに不十分だと考えたからだ。最終的には、可能であれば3要素入れて、「○○な企業として、△△して、□□する」か「●●という環境変化の中、▲▲して、■■する」という形にするトライをして、はまらなかったら、それなりに考える、ということにした。そういうことを考えることで、その企業の方向性のイメージが掴みやすくなったと思う。

9月初旬にOBに1対1で自分の解答を見てもらう、スーパーSMをお願いした。自分のベスト答案を何年分か見てもらい、合格答案のイメージは掴めているのではないか、と言って頂いた。今後の課題としては、今まで時間を無制限に使う解き方しかしていないので、解答を出すまでのプロセスが構築されておらず、80分で解くと解答の内容のバラツキが出た。残りの期間で80分に対応するプロセス作りが課題となる。また、OBから事例を解く場合に、その事例企業の経営課題が何なのかを考え、それに対して助言する様なイメージで事例全体と捉えると良いとアドバイス頂いた。その日の話を総合して、本番までの課題は下記の3つを設定した。
①80分に対応するプロセス作り
②過去問の事例企業の経営課題の確認
③初見問題への取組み

プロセス作りをする上では、あるOBがやっていたという2段階解きをすることにした。まず、80分解きし、その後に時間無制限解きをして、その違いを分析するというものだ。分析して80分解きで不十分だった部分は、プロセスが良くないのか、プロセスの中での考え方が不十分なのかを考えて、プロセスまたはプロセスの中での考え方を調整していった。2次試験日の3週間程前にはプロセスが固まって来たので、80分解きする時に、プロセスの各ステップでかかる時間を計りながら解答を作成し、各ステップでの時間感覚も調整していった。

【財務力の強化】

財務は前の年に惨敗しているように、強化が必要だった。通常、どねくでは1次試験終了後には、事例の議論が終了した後の頭が疲れた状態で、模試の問題を80分解きする。前の年はこの財務80分解きにも参加したかったが、家庭の事情もあって参加できなかった。それが心残りだったので、2010年は参加することを決めていた。参加できて、とても良い訓練になったと思っている。試験直前には、解いた問題を全て見返し、自分のものに出来ているかを確認した。この夜の財務80分解きは、非常に効果が高いものだと個人的には思っているので、1次試験後と言わず、もっと早い段階からやっても良いのではないかと思う。

5.2次試験当日まで

本試験の1週間前からは寝る時間も早くして体調の調整をした。金曜日は休みを取り、ねくすとのメンバーと場所を借りて事例を解き、土曜日もどねく会場で事例を解いて調整した。ブランクによる出遅れから計画を立て直し、やることはやれたのではないかと思った。しかし、不安要素もあった。1ヶ月程前から目の疲れが激しく、目の疲れが全身に回り、仕事にも支障が出ている様な状況だった。なので、土曜日は本番と同じ時間で4事例を解くつもりだったが、目の疲れを心配して2事例でやめておいた。

本試験の当日は、思っていた通り、いつもと変わらない精神状態で臨めた。朝、リバティー近くの待ち合わせ場所に寄って、OBから熱い激励を受けた。あとは、今までやって来たことをどれだけ出せるかが勝負になる。

事例1と事例2は、ある程度自分のプロセス通りに解答が作れたと感じた。しかし、事例2が終わって昼休みになると、目の疲れが蓄積して体がだるくなってきた。昼休みは目の疲れの回復に努めた。事例3がスタートしたが、午前よりも集中力が下がっているのを感じた。与件を読みながら、解答にどう書くかを同時に考えるという時間無制限解きの時の思考の癖も出てしまい、解答プロセスが崩れてしまった。何とか書き切ったが、自分としては納得いく解答とは言い切れなかった。プロセスを自分に浸み込ませたつもりだったが、不十分だったのかもしれない。どんな状況でも自然と自分のプロセスの思考が出来るためには、もう少し早くからプロセス作りをした方が良かったのかとも思う。事例4の時には、なぜか体調も回復して、プロセスにも沿って解答できたと思う。ただし、経営分析で、同業他社より数値が良くても短所として指摘する、ということが思いつかず、過去の事例解きの時には例がない数の経営指標を計算して時間をロスした。そんな中でも計算問題をほとんど出来たのは、どねくの財務80分解きの効果かなと思い、感謝した。

6.最後に

合格発表当日、協会のHPにアクセスし、自分の受験番号を確認できた。何回も番号を確認したが、何故か実感が湧かなかった。本当なのか不安な気持ちの方が大きかった。自分で番号を確認した事実だけでは信用できないとうのが正直なところだった。合格発表から1ヶ月ほど経過し、口述試験の結果も出た今は、合格した実感も味わえ、本当に良かったなと思う。こういった形で自分の努力が成果として実るというのは久しぶりの感覚である。ただ、この資格試験合格は当然ゴールではなく、今後に新たな機会を得られる権利の獲得になると思う。診断士となった後に得られる機会を活かし、新たな挑戦ができればと思っている。

少しの勇気を振り絞って、ねくすと勉強会に入会したことで、今までに会ったことのないような意識の高い、勉強熱心な方々と切磋琢磨できる機会が得られたことに感謝しています。2年間大変お世話になりました。
ありがとうございました。
以上。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください