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1.はじめに

 診断士試験への挑戦を思い立ってから、5年程度の歳月を経て合格に至りました。
私にとって二次試験が大きなハードルとして立ちはだかり、乗り越えるまでに4回のトライを要すこととなりました。
ここではその5年間で「築いて」きたことと、「気付いて」きたことを記します。
今までお世話になった全てのOB、受験生仲間に感謝を表すとともに、この合格体験記が受験生の方の合格に少しでもお役に立てれば幸いです。

2.一次試験について

 ねくすとでは二次組にしか所属した事はないのですが、一次試験は毎年受験し、毎年合格していましたので、考え方や勉強のしかたを紹介します。

<1>勉強のしかた・目指すところ
テキストの理解→暗記→過去問&スピ問&模試 のスパイラルをとにかく繰り返しました。理解・暗記・アウトプットの三者が相乗効果となり、実力が高まっていきます。
一次試験は、理解や暗記の苦しみから逃げずに適切なやり方で適切に時間をかければ必ず得点が伸びます。出来るようになってくると自信がつきますし、楽しくなってくるのが一次試験です。
毎年、科目毎の難易度が変化しますが、それらに左右されない実力をつけるのは一次試験の勉強だけで少なくても1000時間はやったほうが良いと私は考えています。私はどの科目も基本的には70点が取れるレベルを目指して学習していました。
なお、6月あたりに行われる受験校の模試ではどんなに悪くてもどの科目も60点以上はとれるように、学習のスケジュールを組んでおかないと後がきつくなります。
大体、このレベルまで学習すれば、落ち着いて一次試験を受けられますし、その後の二次試験で必要な一次知識が習得できたと思っていいです。

<2>学習のスタンス
・まずは理解する
私は理解が出来ないものは覚えようと思ってもなかなか頭に入りません。
やはり使える知識にする為には、やみくもに丸暗記するよりは、単元ごとに体系的に理解してから覚えたほうが効率的です。理解にはどうしても時間がかかりますが、記憶の定着や本試験での応用などを考えると、遠回りのようで帰って近道だと思います。

・取捨選択が大事
過去問で頻出の論点は100%出来るように訓練しました。もちろん応用的な問題まで解けることが必須です。逆に、ごくごくまれにしか出題されない問題にはこだわりすぎないようにしました(アテカンでも25%の確率で当たります)。
所詮は6割を取れれば合格する試験です。細かすぎるところにこだわるよりも大局的でよく出るところに徹底的にこだわる事が大事だと考えています。

・どこだって勉強の場になる
一次試験はどれだけ学習に時間をかけたかも大事です。理解をしてしまった後のアウトプットや暗記は机に向かっている必要は全くないので私は通勤時間や風呂の時間をそれにあてていましたし、受験校の解説講義をipodにいれて、歩きながらでも暗記を強化していました。そうすると、机に向かって学習したほうが効率的な、経済・財務・企業経営理論 などより理解をすべき科目に時間をかけることができます。

<3>課目別対策
課目によって、やり方や力の入れ具合が異なります。以下でざっと触れてみます。

・経済学
理解科目です。過去問で頻出論点は、どんなに難しくても解けるようにしておくと年度毎の難易度が変わっても対応できます(貿易とか所得代替効果とか)。
毎年、問われる論点に大きな変化がなく、一度理解すると得点源になる科目です。努力すればしただけ結果に結びつきます。

・財務会計
完全に理解科目です。公式を覚えて当てはめるだけでは、二次試験でひねられると手も足も出ません。図で解けるようにするなど、徹底的に理解して、自分なりの解法を身につける必要があります。
テキスト理解→過去問での実践といったアウトプットを毎日毎日ひたすら繰り返しました。この科目も努力すればしただけ結果に結びつきます。

・企業経営理論
基本的には戦略・組織・マーケとも理解が大切です。暗記だけでは、本試験対応が苦しいだけでなく、二次試験で使える知識にはなりません。
組織は全体の体系を押さえているかどうかで、二次の事例Ⅰの知識の使い方に大きな差が出ます。

・運営管理
暗記でもそれなりに点は取れますが、全体の体系の理解は大切です。序盤の生産形態や生産方法などは二次試験でも非常に重要ですので、徹底的に理解します。
最近の難易度を考えても、7科目全体で貯金を作れる科目になりうるはずです。この科目も努力すればしただけ結果に結びつきます。

・経営法務
暗記科目ですが、覚えた知識を使える形にしておかないと本試験では手も足も出ません。様々な形で出題されますので、過去問でのトレーニングを徹底的に積む必要があります。会社法関連と知財、基本的な破産法や民法がキチンとてきると6割程度とれますので、まずはそこを目指す事が当面の目標になります。

・情報システム
暗記でそれなりにいけます。理解は全体の体系を押さえておけば大丈夫です。
過去問で出た、難易度の高すぎる問題はそんなに気にしなくても良いですが、テキストに記載してあるレベルは確実に覚えたほうがいいでしょう。努力すればしただけ結果に結びつきます。

・中小企業経営施策
施策は100%とるくらいの気概で暗記します。そして、ひたすら過去問でアウトプットの訓練をします。同じような施策の同じような論点ばかりがでますのでかなり昔の過去問まで見ておいたほうが良いです。改正後やあまり見慣れない施策が過去問で出てきても、現在の施策に置き換えてチェックすることでかなり役立ちました。
施策は努力すればしただけ結果に結びつきます。
中小は前半部分は大まかな流れを掴み、あとは受験校で取り上げているようなグラフを中心に内容と数値を暗記していきます。

3.二次試験について

 こいつが私にとって、合格を阻む大きなハードルでした。どのようにしてH24年に合格出来たのかを記載します。

<1>受験歴と所属
2009 過去問+答練 (LEC2か月 )     →BBBB
2010 過去問    (ねくすと1年間)     →BCBA
2011 過去問    (ねくすと1年間)     →CBBA
2012 過去問+答練 (ねくすと・TAC1年間) →合格
 合格した今年は過去問と受験校の答練を併用していました。

<2>学習方法(2012年度)
量もさることながら、自分の課題を解決するための学習の質にこだわりました。
過去問 : 事例普遍的テーマ研究・プロセス構築研究・与件の使い方研究
答練模試: 初見対応力強化・対応付け実施・解答プロセス確認
受験生間での相対的ポジションの確認

簡単に言うと過去問を使って試行錯誤をしながら、答練や模試のアウトプットを通じて初見の80分でどの程度の力を発揮できるかを確認しつつ、受験生の中での自分の立ち位置を把握するという感じです。
過去問学習ではOBが受験生時代にどの論点で解答していたのかをMLを遡って研究したりもして、与件の使い方や対応付けの方法を構築していきました。
すいねくでは「どの論点を解答に盛り込むべきか」「誰が何の論点を盛り込んできているか」を強く意識して議論に臨むことで、落ちないための方法を模索していきました。

<3>大切にした事
・自分が見えているものではなく、より見えていないものに意識を振り向ける
すいねくではややもすると、見えている解答の妥当性の低い部分に議論が向く事が往々にしてあります。それはそれで大事なのですが、もっと大事なのは「妥当性の高い書くべき論点とは何か」、でありそれが得点に直結します。議論すべきは「その論点」と、「その論点に至る思考プロセス」だと考えていました。

・今、やっている事は本試験の80分の中でどう生きるのかを意識する
本試験さながら80分で事例を解くケースがあれば、時間無制限で解くケースもあります。日々の学習のにおいてどちらも必要な事です。その際に大事なことは、「今、自分がやっている事が80分の中で実行するアクションなのか」それとも「80分の中での実行力を高めるためのトレーニングをしているのか」をはっきりとと意識することだと考えています。
結局、本試験は80分間しかありません。日ごろからそれを想定していないと本番のタイムマネジメントが上手く機能しないです。

・周りと同じであるところと周りと違うところを意識する
二次試験は1000人程度の椅子をとり合う相対評価の試験です。
大切なことは平均的な受験生から大きく外れない事。そして、外れない中で+αの得点を設問毎に積み重ねる事。だと考えました。
解答の「論点は周りが書くことは必ず書く」「論点と要素を人よりも多く盛り込む」ことで合格というよりは不合格にならない解答を作ることができると考えました。

・財務力を切り札にする
前述の+αの最も大きな要因は財務の計算問題です。これは明らかに出来不出来がはっきりします。応用レベルの計算問題が解けるくらいの実力が身についていれば事例4でぶっちぎりで他受験生を突き離せる、もしくは他の事例で失敗しても事例4で挽回できるという、大きなアドバンテージが得られます。そのために、何があっても財務のトレーニングは毎日やります。たとえ泥酔しててもです。

<4>手ごたえと試験結果
この試験は相対評価の試験なので、試験終了直後に自分で手ごたえがあったかどうかは合否にあまり関係ないと思っています。手ごたえがありすぎるとそれは自分の独りよがりな解答になっているか、他人もみんな出来ていて差がついていないかの可能性が高いと考えています。前年の不合格の際の私がそうでした。
ただ、試験終了直後でも自分が普段のスキルをどれくらい発揮できたかは振り返る事が出来ます。そのスキルの発揮具合で、合否が大きく左右されるのだと思います。
私は、終わった後で受かったかどうかは全くわかりませんでしたが、準備してきた通りに持っているスキルは発揮出来たと感じていました。
受験後、しばらくは受験校の解答分析会に出席し周りの受験生の出来を見たり、模範解答を確認したり、ねくすとの再現答案のアップを見る中で、ようやく今年度の二次試験の手ごたえを感じられ、「今年は受かったな」と思えるようになりました。
(というか、今年受かっていないと一生受からないなとも思っていました)
なので、合格発表を見たときに喜びよりも「ほっ」とした気持ちが強く、意外と冷静にいられました。ちょっと残念だったところです。

4.合格してみて

 本番で練習以上の力を期待してもそんなにうまくはいきません。この試験は恐らくラッキーパンチでは受からないでしょう。むしろ、普段磨いている力をどれだけ発揮できるかが勝負だと思っていたほうがいいと思います。
なので、
・練習の時から、合格するレベルの力を身に付けること。
・練習で身に付けた力を本番で発揮できる自分になること。

が大切になります。
本番で力を発揮するために、また周りの受験生を意識して試験を進めるには心に余裕がないと出来ないと思っています。心に余裕があれば、適切な判断を事例ごと、また科目ごとに下していけます。
毎週ねくすとで議論し、毎日自分で過去問を解き、を繰り返すのは、二次試験に通用するに十分な実力をつけ、いかに心に余裕を持って320分を過ごすかのためのものです。
今回はあえて書きませんでしたが、因果関係のつなげ方やわかりやすい文章の書き方などは本試験時に意識しないとできないようでは合格などままなりません。
基礎体力のように、「意識しないで出来るレベル」にしておかないと並みいる強豪の中で2割に入る事は難しいでしょう。
私はねくすとでしっかり揉まれる中で、基礎体力をつけることが出来たと思っていますし、それが出来たからこそ、強化すべき課題を克服し、ようやく合格の扉を開く事が出来たのだと思っています。

私の好きな言葉に「大事は小事の積み重ね」という言葉があります。
中小企業診断士試験の勉強もしかりで、一足飛びに実力が向上する事はなかなかないですが、日々のすべきことを着実に達成していく事で、合格する実力がついていくのだと確信しています。
学習の途上では、「今日の小さな一歩」が合格に結び付いている事を実感する事は難しいかもしれません。でもその一歩は確実に合格への軌跡となっています。

ぜひ、ご自身を信じて、その一歩を合格のその日まで積み重ねてください。

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