いけ

0.はじめに

 合格体験記を書ける機会を与えていただいた、ねくすと勉強会の皆様に感謝いたします。私がこの1年間に実施したことを中心に記します。

1.受験歴

 2年目までは勉強に対する姿勢が甘く、時間の浪費をしたと痛感しています。ねくすと勉強会に参加してからの約3年間で大きく成長できたと感じています。
(1)受験歴
07年(H19年) 1次 ○(6科目受験) 2次 ×(CABC)
08年(H20年) 1次 -        2次 ×(BABC)
09年(H21年) 1次 ○(7科目受験) 2次 ×(ABDA)
10年(H22年) 1次 -        2次 ×(ACBA)
11年(H23年) 1次 ○(6科目受験) 2次 ○
(2)学習機関
07年:1次:独学(模試のみ)      2次:受験校通学(直前答練)
08年:                 2次:受験校通信(2次講座:5月頃から受講)
09年:1次:ねくすと 受験校通信+模試 2次:ねくすと+受験校通学(スポット)
10年:                 2次:ねくすと(+げつねく)+受験校通信(コンテンツ購入)
11年:1次:ねくすと+模試       2次:ねくすと(+げつねく、どねく)

2.今年(2011年度)合格できた理由

 合格できた理由は定かではないですが、今年は以下の3点を意識して学習してきたことが要因ではないかと考えています。
(1)分散せずに集中すること
(2)すべてを見直すこと
(3)他者からの意見を謙虚に受け止めること

3.合格するために実施したこと

(1)分散せずに集中すること
中小企業診断士試験は2次筆記試験を通過することが困難であり、受験3年目、4年目と常に2次筆記試験を中心とした学習を実施してきました。合格した年は、敗因分析以降1次試験終了までは2次筆記試験勉強(主に過去問演習)を行わず、1次試験科目に集中することとしました。
1次試験学習は、新たな教材は購入せず、過去問といままでの受験勉強にて利用した教材を利用することとしました。理由は、金銭的なこともありますが、合格年度でも、試験範囲の変更がないため60点を取るための問われる内容が大きく変化することはないとの考えからです。
1次試験までの学習計画は、ねくすと勉強会での学習スケジュールをマイルストーンとして管理ができたことは大変役に立ちました。また、ねくすとの仲間から中小企業経営・政策の最新問題集を提供してもらえたことは大変ありがたかったです。(彼女は加点科目とて中小企業経営・政策を受験しようとして問題集を購入されていたようですが、他教科に注力するということで問題集の提供をメーリングリストで呼びかけてくれました。)
1年ぶりの1次試験学習であったので、まず過去問を解き、①正解し説明できる問題、②正解はしたが今一よくわからない問題、③出来なかった問題の分類を行い、得手不得手を顕在化させ、②と③に集中し学習し直すことにしました。学習した内容については、毎週のすいねくでメンバーと議論する中で補強・修正できたため、計画的に知識の補充ができたと考えています。
また、システム関係の業務に従事していることもあり1次の経営情報シテムは得点源になる可能性もありますが、最近の試験傾向から高得点は難しいのではないかと考え、1年目同様免除申請することにし、それ以外の科目に集中することとしました。
ただし、1次試験学習している中でも2次筆記試験に関連する事項(文章の因果関係、基本的な用語理解、財務の計算問題)は意識して学習を進めていました。
1次試験終了後の2次筆記試験学習は、過去問のみとしました。過去5年間分の答案を繰り返し作成し、受験校の模試は1回受験したのみ、タイムマネジメントの確認を目的としました。ねくすと勉強会の学習機会を最大限に活用し、過去問の解き直しを通して、解答プロセスの構築に集中しました。

(2)すべてを見直すこと
1次試験での学習では、年始に敗因分析と学習計画相談の面談をOBと実施しました。その中で、1次試験はある程度短期集中で暗記することも必要であるため、そのことを意識した学習計画を指南いただきました。その指南をうけ、自らの得手不得手について過去問を解くことにより見直しを図っていきました。
2次筆記試験での学習では、解答プロセスについて見直しを図りました。2次筆記試験を毎年受験していましたが、今思い起こすと受験1年目は全くその場限りの対応であり再現解答など全く作成できない状況でした。受験2年目も設問毎に解答するのではなく自らの思い込みを解答していただけの状況でした。受験3年目にねくすと勉強会で方向性という考え方を知り、また受験校で2次筆記試験の解答プロセスを知ることで自分なりの80分のプロセスを作ってきましたが、3年目および4年目と結果に結びつきませんでした。特に3年目は生産事例でD判定となり、プロセスに致命的な問題があったのですが、4年目でその解決ができていませんでした。ある程度の解答をかけている認識と思い込んでおり、結果がついてきませんでした。
1次試験終了後に、OBによるスーパー○○を実施にむけ、過去3年分の事例(12事例)を集中的に解き、多年度受験で合格したOBへ提出しました。OBからは、①設問で聞かれていることに答えていない、②与件から外れたことを書いている、③因果関係が雑である、等々の数多くの指導をいただきました。また、①与件と設問の関係(どの設問でどの与件を使うか、使えるか)を可視化すると与件から外れることは少なくなる、②なぜこの設問があるか(聞かれているのか)を意識すること、③社長の期待要望へ答えつづけることを意識すること、等も教えていただきました。
スーパー○○後、①与件の段落毎に線を引き、各段落がわかるようにする、②鉛筆(シャープペンシル)のみを利用から5色ペンを利用し、設問毎に色を決め各設問に関係しそうな与件文章に同色の下線を引き与件からの取りこぼしの低減を図る、③設問読みの時間を5分から10分に設問の関係性を可視化し方向性をより意識できるようにする、を行い解答プロセスの再構築を進めました。
学習習慣の見直しも行いました。常に勉強の中心の生活では家庭も自らもストレスがたまるのは、効果的ではないと考え、1次試験終了までは週末は家族との時間を優先し、勉強は深夜・早朝に時間を確保して実施することとしました。1次試験終了後は2次筆記試験に集中するために家族との時間は日曜日のみとし平日および土曜日も学習時間としました。

(3)他者からの意見を謙虚に受け止めること
ねくすと勉強会でOBや受験生から様々な気づきを受けていましたが、きちんと消化できていないことが多かったのではないかとの反省にたち、合格した年は、他者の意見やその意見からの気づきを、自分のなかで一度謙虚に受け止め、自らが理解したのち受け入れるかどうかの判断をするようにしました。その成果として、次のことが実施できました。すいねくの議論から、設問および与件から自らが読み飛ばしていた事項を改善するプロセスの修正ができました。8月から参加したげつねくでは1回で2事例について議論を通じて、文章表現のパターン構築を行うことができました。どねくでは、その場解きには参加できませんでしたが、別途80分で解いた解答で議論することで、80分で書くことができる解答レベルについての感覚をつかむことができました。

4.当日について

 昨年、一昨年と試験開始前にOBが激励のため待機して入れている場所には場所がわからなかったり時間がなかったりということで立ち寄ることができていなかったのですが、合格した年は行くことができました。合格した年は例年以上に緊張していましたが、コーヒーショップでOBと受験生仲間にあって話すことにより落ち着きを取り戻し試験に臨むことができました。
昨年まで、試験当日は事例毎に知識確認のため、書籍やノードを確認していました。しかし、合格した年は、知識の確認ではなく、解答プロセスと注意点を記載したA4用紙1枚をファイナルペーパーとして用意し、各事例前に見ることとしました。この3か月間で再構築したプロセスとOBや受験生からいただいた気づきを再認識し、平常心で本番に臨むように心がけました。
試験開始時も解答用紙が配布された際にはうっすらと見える罫線から、解答文字数を把握し焦らないようにしました。
試験開始後も、構築したプロセスを守るため最終頁を切り離した後、解答を書き始める時間を一番上に書き、その時間までは設問間のつながり、方向性、与件からの抽出に集中しました。解答を書き始めるまでの時間注意していた点は、次の通りです。事例Ⅰは各設問配点と文字数に大きな違いがないため、時間配分に注意しながら関係性を整理しました。事例Ⅱは、第1問は字数の割に配点が低いため最後に記述することとし、また第4問はフレームが使えるので該当する事項を与件から丁寧に抜き出すことを意識しました。事例Ⅲでは、第2問が20点で200字であったので、あまり深く考えず与件から言えることを丁寧に書くことを意識しました。事例Ⅳでは、いままでと問われ方が異なっていましたが、経営分析が一番大切だと判断し後で時間を確保できるように後ろの設問から解答を進めました。
各事例とも解答を書く時間になったら、分析で書きだしたことからぶれないように、丁寧に解答欄を埋めていきました。事例によってはマスを埋めきれない設問もありましたが、最後まであきらめず解答用紙に向き合いました。

5.最後に

 まずは5年間にわたり受験勉強をさせてくれた妻と子供に深謝します。また、ねくすと勉強会(すいねく、げつねくおよびどねく)でともに勉強した受験生メンバー、支援いただいた10OBをはじめ多くのOBの皆様にも感謝いたします。
この試験は、続ければ受かる試験といわれていますが、可能な限り短期間で受かるべきだと考えます。2次筆記試験を通過してあらためて感じることは、1次試験を通過した知識があれば、2次試験(筆記、口述とも)で必要とする知識は有している(はず)です。2次筆記試験では設問で聞かれていることを適切に理解し、与件文章(企業)から外れることなく解答を書くことができれば上位20%に入ることが可能ではないかと考えます。個人によってプロセスやアプローチが異なりますので、それぞれに合う手法を早く見つけることが大切です。ねくすと勉強会にはプロセスを構築(形式知化しているかどうかは別として)したOBと多様な受験生がいます。様々なOBと受験生を参考に自らのプロセスを構築し、その訓練をすることで合格できるはずです。
といっても、運もあるかと思い、2次筆記試験前日に湯島天神にお参りにいきました。おみくじは中吉で”願望 誠心誠意に当れ必ず整う”とありました。社長(与件)に対して、誠心誠意対応することが重要と感じ当日を迎えられたこともよかったと感じています。もちろん合格発表後、お礼参りにも行ってまいりました。

以上

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