合格体験記(江ノ電ファン)

[はじめに]

○ねくすと勉強会に感謝!

 昨年1月からねくすと勉強会に参加したが、OBの親身なアドバイスとメンバーの鋭い指摘で多くの気付きを得ることができた。また、独学の最大の問題であるモチベーション維持に関して「すいねくでの議論に参加するための準備をしなくては」という意識が学習の継続に大いに役立った。ねくすとに参加していなかったならば、合格は難しかったと実感している。ねくすと勉強会のOBと仲間たちに心からありがとうと言わせて頂きます。

○年寄りでも合格できた!

 昨年のねくすとメンバーの中でも1,2を争う年寄りである私(気持ちだけは若いのだが・・・)は、記憶力、視力さらに体力の点で大きなハンディキャップがあった。1次知識も覚えるそばから忘れる。専門用語の漢字が出てこない。与件の文字がかすむ、集中力が長時間維持できない、等。
 記憶力の衰えは覆うべくもないが、繰り返し書く、特に専門用語の漢字を繰り返し書くことで、もどかしい思いをしながらも記憶の定着を図った。視力は、ここ2~3年急激に低下した。乱視と遠視の手元用眼鏡を3つほど作り直す羽目となった。
 こんな私でも合格できた。地道な努力を続けることで歩みはのろくともゴールに到達することができた。年寄りのメンバーの方も若者(中年?)に負けずがんばりましょう。

[合格まで]

○受験の動機

 社内の技術者向けIT技術教育が担当する業務であるが、数年前からから製品企画、ヒューマンスキル、発想法などに関する教育企画も担当することとなった。この分野の教育の企画を始めるとすぐに製品戦略、マーケティング、ヒューマンスキルなどの知識不足・能力不足を痛感するようになった。あまりなじみのない分野であったが、関連分野の解説本を何冊か読むうちに、本格的な勉強をしたいと考えるようになり、できれば独立もなどと、甘いことを考えた。
 多少従来の専門と関連のあるITコーディネータと中小企業診断士の資格をとるならば、勉強のシナジー効果も働き効率よく資格が獲得しやすい筈との皮算用をはじき、受験生活を開始した。

○1年目-1次試験突破するも基礎学力養成が不足

 T○CのWeb通信教育で1次試験対策を行った。財務会計、経営法務、運用管理、中小企業政策、経済学、経営学、新規事業開発など初めて勉強する科目が大部分で四苦八苦したが、Web経由で流れるT○CのE先生の「マーキング箇所の指示」と「暗記の語呂合わせ」のおかげでなんとかテキストの終わりまで読み進むことができた。しかし、総勉強時間の不足は克服できず1次試験の受験時期直前でも、苦手科目は、経済学、財務会計、運用管理、経営法務、中小企業政策と半数以上にのぼった。
 自信が無いまま1次試験に臨んだが、なんとか合格することができた。多肢選択式問題の正解絞込みのコツ(選択肢の文章の雰囲気から判断するなど)をある程度つかんでいたことと運がよかったことが原因である。しかし、不十分な基礎学力のままで1次試験に合格したため、2次試験で苦しむこととなった。経営学、運用管理、財務会計など2次試験で特に重要な科目を含めて、ほぼすべての科目で記述式の問題に対応できるレベルの理解度に達していなかった(専門用語の活用能力不足、試験科目の枠にとらわれずに1次知識を連携して活用することなど)。この年を含め2次試験に3回失敗する大きな要因となったのである。

○2年目-ITコーディネータのケース研修受講するも基礎学力不足克服できず

 2年目は、今考えると甘かったと思うが、ITコーディネータと中小企業診断士の両資格を取ることを計画した。まず、ITコーディネータのケース研修(H16/12~H17/3)を受講し、その後3月中旬より受験校A○Sに通った。ITコーディネータのケース研修は、2社の事例をチームで検討し経営革新、システム改善の提案書を作成するもので勉強にはなった。
 A○Sでは、毎週日曜日に1~2事例の演習、グループディスカッション、解説といった学習スタイルであったが、基礎学力不足(1次知識の応用力不足)のため、解答用紙のマス目を時間内にすべて埋めることすら難しい状況であった。適切なキーワードを用いた解答が書けない、キーワードを思いついても漢字を忘れている、加えて、解答時間不足に悩み、勉強方法について暗中模索の時期であった。現時点で振り返ると、受験校のカリキュラムをこなせば何とかなるではないかとの甘い考え、受身の姿勢が問題であったと思う。

○3年目-基礎学力はついてきたが、「題意」の把握に悩む

 受験勉強も3年目にはいり、2次合格のために自分の不足している能力は何か、その克服のために何をすべきかという問題意識が遅まきながら芽生え始めた。弱点である1次知識を固めながら2次向け答練を行うには受験校M○Cが良いのではと考え、毎週土曜日に通い始めた。
 専門用語を使う訓練、解答パターン(金型と呼んでいた)の習得、与件文を因として解答に落とし込む因果関係の意識、設問にキチンと答える(ピッチャー返しと呼んでいた)、財務会計の計算問題の訓練、などM○Cで学んだことはいろいろあったが、新たに強く意識し始めた問題が「題意」の把握である。
 事例全体の「題意」、設問の「題意」の両者があるが、まずつまづいたのは設問の「題意」である。特に事例Ⅰを苦手としていた私は、何を答えればよいかわからない、何を問うているのかわからない事例Ⅰの設問に度々遭遇しては天を仰いだ。この「題意」との格闘の中で過去問の重要性を再認識し学習に取入れた。

○4年目-ねくすと勉強会との出会い、「ウメソッド」の衝撃、そして合格

 過去問に取り組むようになってから、与件を読み込むことの重要性に気付いた。これまで表面的にしか与件を読んでいなかったことに気付いたのである。そこで過去問の与件文を段落ごと、1文ごとに区切り、その意味-この段落(文)はつまり何を言っているのか、与件全体の中でどのような役割を果たしているのか、なぜこの段落(文)はこの位置になければならないのか、この段落(文)は必要か、など-を分析することを試みた。
 H18の事例についてこの作業をした頃、ねくすと勉強会の存在を知り、参加を申し込んだ。運良く1月の追加募集で参加を認められ、すいねくの活動に参加した。過去問の議論中心に進める学習スタイルは、私の求めていたものであり、大いに刺激を受けた。特にOBからの適切なコメントは、私の欠点である思い込みが強すぎて多面的な見方が不足する点や枝葉末節への不必要なこだわりなどについて反省するきっかけとなった。OBがよく口にする「全体感」、「方向性」という概念と以前から気になっていた「題意」はほぼ同じことを表現しているのではないかと分かり始めたのである。
 GWの診断士祭りでそれまでも時々耳にしていた「ウメソッド」の講義を梅原OBから受けることができ、モヤモヤとしていた「題意」、「方向性」、「全体感」などの概念に関して霧が晴れるように視界が開けた思いがした(この時の講義メモは、その後何度も読み返しているが、その都度発見がある)。しかし、わかったと感じたこととできることは違うということを現在に至るまでもホロ苦い思いで噛み締めている。
 今年の2次試験本番を受けている時は、無我夢中であった。それまで学んできたことを意図して活用することはできなかったが、①設問に忠実に解答すること、②「方向性」を意識した一貫性のある答案を書くことの2点だけは、心がけた積りである。
 しかし、作成した答案はいずれも自信があるものではなかった。試験終了直後は、もう1年かと覚悟して顔面蒼白で会場を逃げるように後にした。それだけに診断協会のHPの合格者受験番号の中に自分の番号を見つけたときには感無量であった。

[合格するための勉強法のヒント]

○自分の学習経験から考えたこと

 もし、中小企業診断士の受験を決意した4年前の自分にアドバイスするとしたら何をどのように言うことが適切かと考えてみた。まず、その時点の自分の実力から2次試験に合格するために必要とされる知識・能力に到達するまでの距離感を目測することをまず勧めるだろう。問題は、未来の自分からはその時点の自分がどの地点にいるかはわかっても、その逆の立場での目測は難しいということがある。そのために過去問にあたってみることが有効であると思う。また、何人かのOBに率直に聞いてみるのもよい。
 1次試験の過去問、2次試験の過去問を最新のものからさかのぼり2~3年間分を解いてみる。解いてみるというより、どんな問題が出題されているのか感触を得るという方が近いかも知れない。少し考えてわからなければすぐに答えを見るというやり方である(もし、4年前の自分がこれをやっていたら勉強量の膨大さを悟り、受験を断念したかもしれないが)。いずれにしても過去問は、中小企業診断士として求められている知識・能力のレベルを教えてくれる物差しであるし、最高の教材でもある。これを活用しない手はない。
 ゴールまでの距離感がつかめたならば、不足する知識・能力を合格レベルにまで高める学習法と学習計画作成となる。私のケースでは、①1次知識の習得、②2次試験に使うための1次知識の習得、③事例問題の分析、④答案作成練習などが必要であったと思う。②~④は多少説明が必要かもしれない。

○2次試験に使うための1次知識の習得-1次知識を「使える」ように再構築

 1次知識の量は膨大であるが、2次試験で何が必要かという観点で見ると必要とされる1次知識の範囲はかなり限定される。範囲は限定されるが、自分で使える知識とする難しさがある。これも過去問を事例Ⅰ~Ⅳごとに整理することと、事例の過去問を念頭に1次試験の過去問を整理してみることが有効と思う。また、1次試験には、2次試験を意識した出題が散見されるので、2次試験の過去問を意識しながら1次試験の問題を見ると色々発見があると思う。

○事例問題の分析-「方向性」を意識し自分で納得できるまで時間をかけて事例を解く

 事例を時間をかけて分析し自分で納得できる解答を作成する。この作業が重要である。ここまでを自分で行った上ですいねく、どねくで議論すると、他のメンバーやOBのコメントで気付きを得ることができる。事前にどれだけ自分の考えを深めておいたかで、同じコメントを受けても気付きの質や量が異なる。その後、再答案を作成する。ここまでが1セットである。
 ここで、「方向性」つまり答案としての一貫性が重要である。その事例企業にとって実行可能で効果のある提案となっているかが、答案を評価するもっとも重要な基準であることは、十分に意識しておく必要がある。

○答案作成練習-80分以内で合格レベルの答案を作成する

 時間をかけて検討し他メンバーのコメントも吸収した、自分にできる最高水準の答案作成が完了した後、少し時間をおいてから、同じ事例を80分で解答する練習を何回か繰り返すことが有効である。本番の試験では、60点以上の答案を80分という時間制約の中で作成しなくてはならないのだから、この訓練を十分に積む必要がある。

○やればできる!

 ねくすと勉強会参加メンバーは、入会した時点でゴールまでかなり近い地点にいることは、間違いない。いろいろなハンディキャップを負った私のような年寄りでも合格できた。皆さんにできない筈がない。努力は必ず報われます。頑張りましょう。

以上