2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

何を書いたらよいかわからないときは?

与件と設問を読んだ。でも設問の回答として何を書いたらよいかわからない。そのような悩みをお持ちの方はかなり多くいらっしゃることと思います。

まず設問については、問われていることが「わかったつもり」でとどまっているということが原因として考えられます。設問の理解において重要なのは、設問の戦略的位置付け、設問の題意、制約条件です。戦略的位置付けとは、設問が戦略策定フローのどのポジションに位置付けられるのかということです。全体戦略について問うているのであれば、俯瞰的かつ抽象的な内容になるでしょうし、個別戦略について問うているのであれば、具体的なオペレーションが回答になります。また、設問の題意とは、「何を聞いているのか」ですから、設問に使われている言葉一つ一つの含意について検討する必要があります。制約条件は、回答がはみ出してはならない「境界線」です。これらを常に意識して答練すべきです。

与件については、前回の切り口に関する内容と関係しますが、与件から副次的に導かれる「問い」の質と量を向上させることが重要です。例えば、「A社はこれまで社長が先頭に立って営業活動を展開し、顧客を拡大してきた」と与件にあるとしましょう。この短い記述からだけでも①なぜ社長が先頭に立って営業活動を展開したのか?②社長が展開した営業活動の内容は何か?③社長の営業活動は社員が実行できないものだったのか?できなかったとすれば何が理由か?④拡大した顧客の属性は何か?⑤拡大した顧客と既存顧客の属性の違いは何か?⑥顧客は継続的に拡大してきたのか?そうだとすればそれができた理由は?、といった副次的な問いが作れます。そしてこれらの問いの解を導き出すために切り口を使うのです。上記の例を用いると、「先頭に立って」をリーダーシップと捉えるなら、例えばリーダーシップに関するSL理論を使うことにより、この社長はどのようなリーダーシップの類型に該当するのだろうかと考えます。そこで、もし社長のリーダーシップスタイルが「説得型」だとするなら、「他の社員は一般的な営業活動能力を有するものの、新規顧客に対する主力製品のアピール能力が不十分なため、社長が先頭に立って営業活動を展開した」という回答の仮説が作れるのです。切り口を単体で与件分析に使うのではなく、与件から導かれる問いに答えるために切り口を使うのです。そうすれば書くべきことが見えてくると思います。

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