はじめまして、たけのこ山です。
合格体験記ということで、書き方としていろいろあると思いますが、この場では一次、二次試験対策の中から私が特に注意したポイントを含めてご紹介しようと思います。
どの資格試験の学習もそうですが、主体的に課題を設定し、それをPDCAサイクルで回すことが求められます。
とりわけ中小企業診断士の試験は、広範囲な1次試験での効率的な学習対象の設定や、素性の知れない2次試験での学習方法の設定において、この課題設定能力が必要となります。
2012年度試験合格を目指す皆様への参考になれば幸いです。
■まずは受験歴を簡単に
2011年 一次試験合格 (経財法中を受験)
二次試験合格
※二年目はねくすと勉強会と某大手予備校に通っていました。
※2011年度の財務は科目免除を取り消して受験しました。
■試験日の朝までの体験
19時に帰宅してボケーっとすごす。ここまで来たら一個や二個の知識を入れたところで大した意味はないので、自分が今までしてきたミスの記録を見返した。お酒の力を借りて、22:00に就寝。お酒は素晴らしい。
本当は05:00に起きたかったのに4:00に目が覚めます。仕方ないからホットミルクを飲んで二度寝。緊張はしていないように感じていたのですが、実際はどうだったのか。
5:00に目覚ましとともに覚醒。PCを付けて朝ごはんを食べて。朝ごはんは昨晩買っておいたコンビニのタンメン、、、ゆったりとシャワーを浴びて最終持ち物チェック。受験票と財布とメガネの3種の神器を確認。
早めに出発。
受験会場近くのコンビニが混んでた場合に備えて、電車に乗る前に昼食を購入。
数日前に行った下見のとおりに、受験会場へ。下見には行っておくべきですね。
■試験中の体験
○事例Ⅰ
朝一試験として緊張しないようにしようと思ったけど、やっぱり緊張していましたね。なんというか自覚は無いのですが、いつもならもう一段階くらい深く読解できるところが、読んでいてもあまり頭に入ってこない感が凄かった。だから、もう条件反射的な処理しか出来なかった。
仕方ないので、他の受験生と差がつかないように、押さえるべきところを押さえるための処理に終始しました。
○事例Ⅱ
開始の合図と共に、おそるおそる解答用紙を開き受験番号を記入。やはり目を引くのは200文字の重厚長大な解答欄。一方で、他の問題は文字数の割に高い配点が設定されているようです。
しかし、傾向が変わろうとやることは同じ。点数が下がっても他の受験生も全員下がっているはず。
それでも全体的につかみどころが無く、ただダラダラとB社がやって来たことが述べられてるだけの与件に大苦戦。今までの本試験問題では明確に分かれていた段落ごとのトピックが思うように読み取れません。
結局、45分を過ぎたあたりで第1問だけは書いておこうとペンを走らせてからは段々と吹っ切れてきて、押さえるところは最低限押さえてなんとか解答欄を埋めることが出来ました。
○事例Ⅲ
… …運営管理を勉強してない僕にとってあまりに厳しい専門(?)用語。CADはともかくCAMってなんだー?当然、持っていない知識を思い出す事など不可能で、仕方なく、それっぽい事を書けばいいか。という感じになりました。考えて時間を浪費するくらいなら、他の問題で時間を使った方がよっぽどマシですからね。
この事例は問題3設問2以外はそこそこの対応ができました。200文字の問題は配点低いので手抜きでしたが、今日の試験問題のなかで一番高得点が見込めそうです(といっても50点くらい)。
○事例Ⅳ
作問者が変わった噂は聞いていたので心構えはしていたものの、本当に出ましたC/S作成。営業CFだけですが。。。しかし、解答欄小さいな。
来年以降もB/S、P/L、C/Sの3つの財務諸表から経営分析をさせる可能性はあるでしょう。
一方で個別問題は身構えていたほど難しくはありません。題意が判りづらいのはいつも通りですが。慎重にさばく必要があります。2つめのフリースペースはスカスカになりましたが、あれ以外には考えられなかったので良し。時間の余裕もあったし普通に解いていて楽しかったですね。
■試験後の体験
取れたか取れないかはさて置き、事例4の難易度自体がさほど高くなかったことが理由かもしれません。
出口や階段の混雑を嫌った僕は、同じ部屋の知り合いと感想を話合ってました。てか、隣の方も知り合いだったし。。。お互いに気持ちを人に話して、少し落ち着いた頃には階段の混雑も無くなり、一緒に会場を跡にします。近くの予備校の自習室で再現答案の作成に取り掛かります。
プロセスで解答構築しているとは言え、時間が経つと誤差も大きくなるしょうし、なにより「当日に作っておけば受かる気がする」というのも大きな理由でした。再現答案を作成している最中に「ああしておけば良かった」という気持ちになりましたが、おおむねやるべき事はやったと再確認できましたね。
■一次試験対策のポイント
理由は2つ。
本試験ではいかにも難しげな応用問題が出題されますが、結局基本論点の合わせ技のケースが多く、正誤判定の説明ができる程度の理解があれば解けます。
また、各論点ごとに作成できる選択肢のバリエーションは限られているため、このバリエーションを自分の中に多く持っておくことにより、まったく対策していない論点が出たときにも、選択肢に含まれる学習済み論点を裁いて正答率を高めることができます。
どちらかと言えば後者が実戦向きで、極端に言えば、すべての問題の選択肢を2択に絞ることができれば50点は取れる訳ですね。
■二次試験対策のポイント
≪ 解答プロセス = 解答作成に係るルーティンの体系 ≫
ルーティンとは「型にはまった手順」という意味ですね。
イメージとしては、皆さんよくご存知の「業務プロセス」と同じです。どのような条件下でどのような対応(意思決定)をするかは予め決められていて、あとはその決められた手順どおりに処理するだけですよね。これが「プロセス」ってやつです。
具体的に言えば、
・中小企業診断士試験とはこういう試験だから、こういう構成要素を踏まえて解答作りをしよう
・何文字解答で何点配点だからこの問題は優先しよう/優先度下げよう
・設問要求がこうだから、与件にこの情報を探しにいこう
・与件にこのフレーズが書いてあったら絶対に解答に書こう
そしてこのように、80分間の大まかな段取りだけでなく、それをも含んだ試験時間中のあらゆる条件下での意思決定基準を、あらかじめ定めておくことが「解答プロセスの構築」です。
上記体験からも確信しているのは、試験本番は「頭が回らない空間」の中で事例を解くという事こと。試験終了後に振り返ってみるととんでもないロジックを組んでいた。これは、無自覚の緊張から頭に浮かんだ想起に飛びついてしまう事で発生するのだと考察します。そして試験時間中はその過ちに気づくことができないのです。
その頭の回らない空間で自分の実力どおりの解答を作るためには、解答プロセスを構築し、プロセスを自分の中に刷り込ませておき、本番でいかなる出題がされようともプロセスどおりに処理することが必要となります。
そこで、解答プロセスの作り方は?という話になるのですが、作り方は「診断士試験、過去問題、再現答案、予備校解釈などから一般化できるプロセスを分析し、勉強会ならびに予備校の演習及び模擬試験でそのプロセスが正しいかを検証する」です。
解答プロセスの確立度合いは簡単に判定できます。「高い再現度の再現答案が作れるか?」ですね。再現答案が作れないということは、その場限りの対応をしている証拠です。
ちなみに、私は本試験を受けているとき「この解答作りはあとで再現答案が書けるだろうか?」(=普段やっている対応だろうか?)ばっかり考えていました。
■さいごに
この2年間、幾つかの難関試験を受験してきましたが、試験に向けて努力してきたからこそ落ちたときに悔しいのですね。
この悔しさを味わうことが無いために、また苦しい受験勉強を1年で終わらせるためにも、本試験の場でどのように努力を発揮させるか?も含めた、できる限りの正しい準備をしていただいた上で本試験に臨み、結果を残して頂きたいと思います。
合格した後の世界、みんなで味わいましょう。