2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

試験委員の本を読むべきか

事前にお断りすると、私は試験前に試験委員が書かれた本を一冊も読んでいません。

さて、2次試験受験生の間でいつも議論される話題の一つに、試験委員の本を読んでおくべきかというものがあります。事例◯は△△先生が試験委員だから、今年はこの論点が出るんじゃないの?とか、私もよく参加しました。

さて、この問いに対する私の考えは、「ベターだけれどマストではない」です。ベターというのは、各先生の強みとなる分野を知ったり、どのような論旨を展開しているかを知れば、今の自分自身の考え方との違いを「意識できる」からです。一方、「マストではない」というのは、それを知ったからといって、そもそも読解や考察、記述の基本ができていなければ、最終プロダクトとしての答案は作成できないからです。

診断士2次試験の目的には、「中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定する」ことが謳われています。つまり、2次試験は、診断士として知識を知恵に転換し、事例企業の成長や、それに必要な経営課題の解決に活かすことができるかを、紙の上で評価するものです。そこには、ある特定の業種や業界だけに特化した技能や知識は求められません。経営診断と助言の本質を理解し、その基本に忠実に事例を読み解き解答する能力が問われているのです。

たとえば、ある委員の先生が本の中で、「マーケティングの成功の鍵はコミュニケーション戦略にある」と書かれており、SNSを活用した商品のバイラルコミュニケーションが今後の戦略だ!と主張されていたとしても、その手段が常に適用できるわけではありません。実際、平成26年の事例2では、SNSを使った広告が効果を生んでいない状況でのコミュニケーション戦略のあり方が問われています。ここで問われるのは、SNSはコミュニケーション戦略上どのような特性を持つメディアなのか、なぜ事例企業が置かれた状況で効果を発揮できなかったのか、ではどのような手段で誰とどのようにコミュニケートすべきかです。そうした問いは、特定の事例に関係ない、普遍的な問いであり、深い一次知識と状況理解力があって初めて考えつくものです。それには、過去問とテキストを基本とする地道な鍛錬が不可欠です。

とはいえ、今の時期ならまだ時間があるので、何冊か目を通しておく時間的余裕があります。春休みやゴールデンウィークなどを活用し、納得がいく形で勉強されるのが良いかと思います。

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