2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

過去問解きの罠・・・論点覚えちゃった篇

2次試験受験生にとって、過去問を繰り返し解くことの重要性はいまさら言うまでもありません。中には延べ数十事例を解いたという方もいらっしゃいます。過去問の活用法は人それぞれという部分がありますので、これがベストというものはないと考えていますが、過去問解きの罠については気をつけていただければと思います。不定期になるかもしれませんが、これからいくつかお伝えできればと思います。まずはじめは、論点覚えちゃった篇です。

多年度生に多く見られますが、これまで何度も過去問を解いていて、「◯◯年の事例IIにこんなこと書いてたよね」とすらっと言える方がいらっしゃいます。そして、「第2問は顧客関係性の強化が論点だよ」と続きます。勉強会での議論を見ていると、さすがに皆さん高度な議論を展開されています。ただ、若干議論の深さが不十分だと思えるのが、「なぜその論点が解答として与件と一次知識から導かれるのか」についてのロジックです。その背景には、与件分の読み込みの深さと仮説思考の不足があると思います。与件の読み込みの質が、論点の質と量を決定するのです。

市販の2次試験参考書の中には、「与件のこの部分を設問と紐つけて」などと書かれていることがありますが、その多くは、なぜ紐つくのか、どのように紐ついているのかについての考え方について、あまり触れられていません。当勉強会では、与件を因とすることを重視していますが、それは単に与件の一部を引っ張り出して因に据え付けるというのではなく、与件のこの部分からこのような問題が発生していると考えられるので、このような窮状に陥っているのだというところまで踏み込むことも時には必要だということです。それができるようになるためには、与件の表現への感受性を高め(昨年アップしたコラム「わざわざ、さらっと」を参照ください)、与件の表現からできるだけ多くの仮説を導き出すことです。

一例を示します。与件文に、「事例企業は主力商品の製造方法を、創業家一族の一子相伝で守ってきた」と書かれていたら、それは単に子供に製造方法を代々伝えてきたという理解では不足です。この一文だけでも、①一子相伝はどのように行われてきたのか②なぜ創業家は製造方法を一子相伝で伝承してきたのか③一子相伝の伝承のメリット・デメリットは何か④一子相伝の伝承方法について、創業家の関係者や社員はどのような思いを持っているのか⑤一子相伝の製造技術を事例企業は販売やマーケティングにどのように活用しているのか⑥事例企業では伝承相手をどのように決めているのか…と、少なくともざっとこれだけの問いが作られ、それぞれに仮説を設定することができます。解答プロセスでは、そうして作られた膨大な仮説の中から、設問に関係する仮説を選び出し、方向性との関係から解答を作っていくのです。例えば、「社長は製造方法のマニュアル化を模索しているが、その理由について述べよ」と問われたら、一子相伝の目的、外部環境との関係、メリット・デメリットを取っ掛かりとして解答骨子を作成するのです。

以上の点を意識して、改めて過去問と向き合ってみてください。きっとこれまで見えてこなかった視点や論点が現れてくるはずです。

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