2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験) 組織人事

インテリジェンスとして理解するための読み方(8)

今回から、与件文本文の読解に入りたいと思います。なお、事前にお断りしますが、ここで解説する読み方が必ずしも正しいとは限りません。あくまでも筆者個人の解釈によるものであることをご理解ください。

①資本金 1,000 万円、売上高約 70 億円、従業員数 135 名(正規社員 26 名、非正規社員 109 名)のA社は、サプリメントなどの健康食品の通信販売業者である。
②近年、中高年層を中心に美容や健康の維持・増進への関心が高まっている。なかでもコラーゲンやヒアルロン酸に代表されるアンチエイジング向けや、グルコサミンやカルシウムなどの骨・関節サポート向けのサプリメント市場が拡大傾向にある。大手の製薬メーカー、食品メーカーを筆頭に、規模の大小や業種業態を問わず、多くの企業がこの市場に参入している。

第1段落は、事例企業の概要を示しています。事例企業は135人の従業員を抱え、サプリメント等の健康食品を商品として取り扱う「通信販売業者」です。売上約70億の企業で従業員が130名強というのは、まああり得る規模です。ただ、通販業者という点では、従業員数が多いような気がします。この点については、ちょっと留意しておきましょう。
第2段落は、事例企業が属している健康食品・サプリメント市場の概況が書かれています。ここでは、中高年層の消費者に、美容や健康のニーズがある可能性が考えられます。また、特定のサプリメント商品では市場が拡大していること、市場には競合相手が、大小関わらず多いことがわかります。大手の製薬・食品メーカーを筆頭にとありますから、事例企業は市場に参入している業者としては零細の部類に入るでしょう。
ここで考えなければならないのは、そのようなサプリメント市場でなぜ事例企業はこれまで生き残ってこれたのかということです。ここを考えるか否かが、与件をインフォメーションとして読むか、インテリジェンスとして読むかの違いです。上記のポイントを考えることによって、限られた解答時間の中で、これから読む内容のポイントを効率的に押さえることができます。また、もう一段踏み込んで考えれば、これまで事例企業が生き延びてこれたのはどのような戦略によるものだったのかという問いも立てられるでしょう。
今回は、与件文の第1及び第2段落を扱いました。次回は第3段落から開始しましょう。

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