2015年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験) 組織人事

事例別のポイント 事例Ⅰ 組織・人事戦略(3)「なんでも書けちゃう症候群」克服法


事例1組織・人事事例のポイント3回目です。今回のテーマは、「なんでも書けちゃう症候群」をいかに克服するかです。

みなさんご存知のとおり、事例1は、設問の解答に直接結びつく与件情報が少ない、または明確に書かれていないこともあり、大変苦労する事例です。設問も、「その理由として何が考えられるか?」といった問われかたがされていることが多いです。過去の私もそうですが、一次知識やその活用な苦手な方にとっては苦痛以外の何物でもありません。一方で、事例1を得意とする方にとっては、こうした問われ方は罠になりかねません。その理由は何でしょうか。

一番の理由は、知識や経験の多さそのものです。知識や経験が多いから、いろんなことを考えついてしまいます。組織や人事という分野は、他の事例が取り扱うマーケ、生産、財務と比べ、理論や打ち手の概念がより不定形(定まった形を持たない)という特性があります。よく用いられる、ハーズバーグの動機付け・衛生理論でも、与件のどの情報が動機付け要因で、どの要素が衛生要因なのかを短時間で見分けることは困難です。全ては、事例企業が置かれている経営環境や、事例企業が直面している経営課題との関係で検討されるべきものです。

例えば、従業員給与が低いという事実があるとして、それが事例企業の課題解決とどのような関係を持ち得るでしょうか。「社員の離職率が高い」という弱みがあり、経営課題が「社員の定着率向上」であれば、第一の打ち手は、経営に影響がない範囲で労働分配率が高くなる施策をとることでしょう。一方で、経営課題が「経営コストの削減」であれば、従業員給与の削減という打ち手になるかもしれません。「なんだ、こんなこと簡単じゃないか」と思われるでしょうが、試験本番の環境では、時間のプレッシャーで思わぬ取り違いを起こしかねません。さらに、一つの取り違えが、芋づる式に誤った類推の展開につながると、事態は最悪です。与件のテーマに全く合致しない内容の回答になるかもしれません。そうした事態を避けるためにも、「事例企業の方向性」と「その実現における課題」の確認を徹底する必要があります。

なんでも書けちゃう症候群を克服する最も効果的な手段は、こうした基本を守ることです。

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