2016年 コラム・つぶやき マーケティング 勉強法(二次試験)

平成27年度診断士2次試験の振り返り 事例Ⅱ


今回から、事例Ⅱの振り返りを行います。

ここ数年の事例Ⅱは、表を読ませたり、シェア計算させたりと、独特な出題が続いていましたが、平成27年の事例Ⅱはそれに輪をかけて独特、というかより実戦的な出題内容でした。

その他にも、事例企業が一企業ではなく商店街であること、設問が全て提案問題であることなど、近年で最もユニークな問題でした。ということで、早速設問の振り返りに行きたいところですが、今回はその前提として、本事例の与件振り返りから入りたいと思います。

というのも、今回の事例Ⅱは与件が示唆する内容の読み込みを十分に行わなければ、何も書けないか、逆に何でも書けてしまう、危険な事例だと思われるからです。詳細については踏み込みませんが、私が押さえておくべきだと考える点について述べたいと思います。

まずはじめに、本事例の主人公が商店街の代表理事であるということです。商店街の代表理事の役割とは何でしょうか。簡単に言えば、商店街を代表して、商店街の発展を進めていく人です。それでは商店街の発展とは何でしょうか。商店街に加盟する全ての店が集客を増やし、収益を上げることでしょうか。それとも商店街が地域の発展の核となる交流の場になることでしょうか。商店街のあるべき姿についての具体的なイメージをしっかりと作ることが重要です。それにより、本商店街発展の方向性や戦略がガラッと変わってきます。

次に、商店街とは種々雑多な商店が集まっており、各加盟店の利害が必ずしも一致しないということです。食料品や日用品を売る店と、家具やアクセサリーを売る店とは、客層や購買頻度が異なるのが当たり前です。当然でしょという声も聞こえそうですが、その点を整理しておかないと、本事例のような段階的な発展を目指す商店街が取るべき施策の優先順位を誤る恐れがあります。全ての店が同時に儲かるということはありえません。その時に、代表理事として「取り残された」店にも納得してもらう発展戦略をどのように構築するかが重要な論点になります。

また、代表理事は「10年先を見据えた」組合運営を心がけ、その結果、多くの若手商店主が理事として商店街の運営に関与するようになりました。ということは、この代表理事は、10年後にこれら若手理事たちに安心して運営を任せられるような商店街づくりを目指していると考えられるでしょう。このことは、第1問のターゲット顧客の設定に大きく関わる視点だと言っても良いでしょう。

最後に、歴史的経緯を見ると、本商店街の加盟店は、有利な(と思われた)外部環境に依存した経営、言葉は悪いですが「他力本願的な」経営をしてきた結果、工場の移転に伴う消費者の流出や、総合スーパーによる地域消費者の取り込みに巻き込まれ、現在の窮状を示すようになったと言えます。特に、総合スーパーから遠く離れた地域住民が、商店街を「素通り」して総合スーパーに通う姿を、商店街は指をくわえて見ているだけだったのです。手広くPBやNB商品を展開する総合スーパーと商店街が同じ土俵で戦うことは非現実的です。であるならば、新旧の地域住民が喜んで戻ってくれる、総合スーパーと差別化できる商品やサービスは何なのかという視点なくしては、有効な助言は難しいでしょう。

設問の解答に取り組む前に、与件文からこの程度の情報を読み取れるようにしておくことが必要です。そうすれば、細部はそれぞれ異なっても、商店街の現状を改善できる、論旨が一貫した解答が作成できると思います。

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