2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験) 組織人事

インテリジェンスとして理解するための読み方(3)


明日から仕事で若干忙しくなるので、ここはちょっと頑張り、前回に引き続き、平成25年度事例I第1問を見ていきましょう。第1問の設問2です。

第1問(配点 35 点) A社は、ここ数年で急速に事業を拡大させている。以下の設問に答えよ。
(設問2) A社は、急速な事業拡大にもかかわらず、正規社員の数を大幅に増員せずに成長を実現してきた。今後もそうした体制を維持していく上で、どのような点に留意していくべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。

当然のことですが、リード文は設問2にもかかっています。ここ数年での急速な事業拡大を意識しつつ、設問2を読み解きましょう。
設問2も、留意点が問われています。条件として、「今後もそうした体制を維持していく上で」という記述もあります。ここで気をつけたいのは、「そうした」が示す内容です。「そうした」ですから、指し示す内容はその前にあります。見てみると、「正規社員の数を大幅に増員せずに成長を実現」とあります。この中で、体制に該当する部分は、「正規社員の数を大幅に増員せず」ですね。まとめると、「正規社員を大幅に増員しない体制を維持していく上で」と読めます。そして、そのために何を留意すべきかが問われています。
では、「正規社員を大幅に増員しない体制を維持」することで、事例企業は何をしたいのでしょうか。いうまでもなく、これまで通り今後も成長を続けたいと考えているのでしょう。ここまで成長してきたのだからと満足するわけでなく、今後も成長したい。それも正規社員を大幅に増やさないやり方でということです。見方によれば「ちょっと虫がよすぎる」と言えるかもしれません。
しかし、そうしたいと考える背景には何かがあるはずだという問題意識を持つことが大事です。一般的に、企業や組織は成長するに従い、多くの人を必要とするようになります。そして企業は、従業員の増大に伴い増加する人件費を賄えるだけの収益を上げる必要に迫られます。一般的に、業務の繁閑に合わせた労働力の調整は、パートやアルバイトといった非正規社員によって行われます。そうした労働力は、主にオペレーションの現場に投入されます。一方、短期的な雇用調整が難しい正規社員は、長期雇用を前提とするポジションに配置するのが一般的です。事例企業がこれまで成長してきたことを考えると、そうしたポジションの仕事も量的に増大したり、質的に複雑化してきたはずだと考えるのが普通でしょう。しかし、実際には事例企業は正規社員を大幅に増やすことなく成長してきました。つまり、急速な成長にもかかわらず、正規社員を大幅に増やさなくても済む仕組みや業務プロセスが事例企業の強みであると考えられ、今後もその強みを継続できるようにするための留意点が問いになっているという仮説が考えられます。
ここでも、この仮説は真であると仮定しましょう。そうすると、長期に人を割り当てる必要があり、また企業の成長にかかわらず人的需要が増大しないような業務に限られた正規社員を配置し、従事させ、その結果さらに事例企業を成長させる上で留意すべき点を、与件を踏まえて解答することが、この設問で求められているといえるでしょう。
次回は、第2問の読みに移ります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください