N.H

1.はじめに
中小企業診断士試験の受験を思い立ったきっかけは、会計学や経営学を体系立てて学ぼうと考えたからです。仕事でSCMやERPなどパッケージ・ソフトの導入を担当していたため、経営者や事業責任者の方と接する機会が多く、彼らの考えをキチンと理解した上で説得力がある提案をするためには、マネジメントや経営そのものを体系的に学ぶ必要があると感じたからです。
ビジネス・スクールへの通学も検討しましたが、多忙な業務との両立を考えると現実感はなく、考えたあげく中小企業診断士の資格取得を選択しました。しかし、当初の想定とは異なり、とても長い道程になってしました。

2.受験歴
平成20年から平成23年と平成平成25年・26年、2次試験に不合格だった多年度受験生です。成績は、事例ⅣがA、事例Ⅰか事例ⅢがA、他がBということ多く、あと一歩という成績が続く結果となりました。今から考えると後一歩ではなく、AといってもギリギリのAで、実際には合格までにはかなり距離があったと考えています。その後、業務が多忙となり平成27年に、一旦受験から距離を置いていました。平成30年に時間的な余裕ができたので診断士試験にリベンジ(再挑戦)して、なんとか合格することができました。

3.1次試験対策
独学でアウトプット中心の学習スタイルを取りました。財務会計と経営情報システムを以外は、スピ問と過去問を繰り返し解きました。財務会計は、1次と2次の対策を分けませんでした。テキストは、ロジ財や計算問題用の問題集を使用しました。経営情報システムは専門分野なので、情報処理技術者試験のテキストを使って確実に80点以上確保できるように取り組みました。

4.2次試験対策
2次試験対策は試行錯誤の連続でした。手を変え、品を変えても、なかなか成果に結びつかずに苦しい戦いでした。合格した平成30年に強く意識したのは、“ねすくと”のOBの方々が皆言うように「事例は違っていても、問われていることは毎年変わりがない」、「2次試験対策は過去問にありき」ということです。
実際、平成30年度も過去問中心の勉強スタイルは変えていません。しかし、同じ方法を繰り返していても道は開けないので、いくつか考え方を変えた部分があります。取り組み方を工夫したことは、事例毎にメリハリをつけた攻略法で対応するとことです。
具体的には、比較的得意な事例1と事例3で得点し、事例2では失点を防ぎ、対して事例4は、事例1から事例3までの状況(出来)をみて、「攻め」か「守り」かの、作戦を変えるというものです。特に意識したことは、事例1は事例全体を流れるストーリーを意識する、事例2は与件の情報の取捨選択をして不用な情報に惑わされない、事例3は各設問を経営戦略とオペレーションとでレイアに分け、レイアに対応させた解答を書く、です。また、「読む・考える・書く」を安定させるために、野矢さんの論理トレーニング101を繰り返し読みました。与件を読むという観点で、事例Ⅰと事例Ⅲの対策に有効だったと感じています。その結果、平成30年の本番では、事例ⅠとⅢは狙い通りで、事例Ⅱも無難に対応できました、事例4は“守るべき”でしたが、やはり、“攻めて”しまいました。(笑)

5.口述試験対策
筆記試験の発表の後で口述試験対策に取り組みました。具体的には、与件と設問を暗記して、繰り返し本試験当日のシミュレーションに取り組みました。不合格になるケースはほぼないとはいっても油断は禁物です。

6.”ねくすと勉強会”について
私の2次試験の対策の中心となった”ねくすと勉強会”では、水曜日の夜に1次組と2次組に分かれて議論中心に学習を進めています。一方的な講義ではなく、あくまでも受験生主体で各自が持参した解答に対して意見交換をして行きます。自分と違った視点でツッコミを受けることで、第3者の目線で冷静に答案を分析することができます。思い込みが強い答案やロジックが飛んでいる答案に対しては、容赦なく指摘が入るので自分の悪い癖や弱みを修正していくことができます。その他、土曜日や祝祭日などのオプションの勉強会やイベントもあります。
またOBから、答案の添削を受けることや勉強方法へのアドバイスを受けることも、できます。勉強会の後の懇親会で盛り上がることも、ままあるようです。受験校に通っている方や独学で学習している方も、一度是非、覗いてみませんか。百聞は一見にしかず、切磋琢磨する仲間が増えることを期待しつつ、お待ちしています。

7.最後に
中小企業診断士試験に合格できたのは、ご指導頂いた”ねくすと勉強会”のOBの方々、共に切磋琢磨した勉強仲間たち、そして長い間わがままを許してくれた家族たち、の支援があってのことです。文末になりますが、感謝を伝えて結びの言葉とさせていただきます。

お世話になった方々へ、「ありがとうございました」。

桜の花が咲く頃に、東京にて。