中小企業診断士の資格取得を目指してから、7年間という歳月を経て、ついに合格することができました。この合格の最大の要因は、ОBの方々の熱心なアドバイスやメンバーとの議論の積み重ねで多く気づきを得て、それを解答する際の手順(解答プロセス)に磨きをかけ続けたことだと思っています。
今まで長きに渡りご指導をいただいたОBの皆様、勉強会での活発な議論や長かった受験生活のモチベーションの維持への支えとなった熱意あるメンバーの皆様に感謝申し上げます。
私は、北関東在住ということもあり学習を始める際に資格受験校に通うこともできず、通信講座で学んでいました。一次試験は何とか通過したものの、初めて受けた二次試験では惨敗でした。このまま通信講座を続けていても、当時捉えどころがないと思っていた二次試験の合格は難しいと考え、「ねくすと勉強会」への入会を決意して、週に一度は高速バスと車を乗り継いで夜中に帰る生活をスタートさせました。
【 受 験 歴 】
2013年 通信講座 1次:科目合格
2014年 通信講座 1次:合格 2次:CBCB=C
(ねくすと勉強会入会)
2015年 通信講座 1次:科目合格 2次:ACCA=238
2016年 1次:合格 2次:ACBB=B
2017年 1次:合格 2次:ABBA=236
2018年 1次:科目合格 2次:AACB=B
2019年 1次:合格 2次:合格
勉強会に参加した効果は一年目から出たものの、結果として5年間在籍することとなりました。長く在籍していたこともあり、記したいことはたくさんありますが、合格に近づいていく上で大きなポイントとなった3点を記していきます。合格へのアプローチは人それぞれだと思いますが、今後学習していく上での参考になれば幸いです。
① 事例Ⅰは、方向性とストーリー
事例Ⅰは、入会前には最も苦手意識が高い科目でした。入会当初は、今思うと二次試験の作法も全くできていない随分と失礼な状態で参加していたように思います。どちらかというと、議論に加わるというより、メンバーの発言を必死にメモして、それを持ち帰って自分なりに事例企業に向き合うための材料として活用しました。「事例企業の方向性」や「事例のてっぺん」についての議論で理解を深めていきました。その成果が一年目から表れ、事例Ⅰは、ねくすと入会後はすべてA評価となり、意図していないものの結果として得意科目となっていました。しかし、OBの方々からの赤ペンチェックやベスト答案を持ち寄っての議論では、一貫性の無さを露呈してしまい、多くのツッコミをもらうこととなりました。設問ごとの対応となっていた受験初期から変えたことは、一貫性というものを強く意識した解答です。診断士試験の解答は診断レポートなのだから、一貫性がある解答とするのは当然のことです。ただ、一貫性という言葉も漠然としており、意識はするものの解答プロセスにまで落とし込むことはできない状態でした。数年前の議論の中で、「作問者が描く事例企業のストーリーに沿ったレポート」という考え方が自分には合っていたようで、自身の解答プロセスに落とし込むようにしてから初見の事例でも大崩れしない安定感が出てきました。
② 事例Ⅳこそ、与件文から方向性を本気で捉える
事例Ⅳは、自分でも得意な方だと思っており、2度目の受験では74点の結果を残したこと
もあり計算力にも自信がありました。しかし、その一方で得点が伸びない年もありました。
メンバーとの議論の中で、「記述の配点も高まっており、その記述や計算問題のストーリーも
事例企業の方向性で見定めることができるのではないか」というもがありました。
直前期には直近数年分の事例Ⅳの方向性や記述問題に特化して議論を交わしたことで、事例
企業の方向性の重要さを深く胸に刻み込むことができました。タイムスケジュールにも反映
させ、方向性を考える時間を取ることで、今までにない安心感を得ることができ、試験当日
は穏やかな気持ちでラスト80分を過ごすことができました。
③ ツッコミの入った解答の修正手順を変えた
ねくすとの二次試験グループでは、自身の解答プロセスに基づいたベスト答案を持ち寄って、当日の議論に臨みます。その準備段階として、じっくりと一週間かけてベスト答案を作成していくのですが、合格年度には以下のように変えました。
1.まずは、80分で解いてみる。
2.その後、じっくりと考えて解答の手直しをする。
3.80分解きとその後手直しした解答の差分を解答プロセスに盛り込む。
4.ねくすとで、多くのツッコミをもらう。
5.ツッコまれた部分を見直す際に、解答の文字だけを直すのではなく、与件文に戻り自身の解答プロセスに修正をかけた上で解答を直していく。(ココ重要!!)
入会以来ずっとOBの多くの方から、解答プロセスのPDCAサイクルを素早く回して磨きをかけ続けることだとのアドバイスをいただいていました。頭では理解していることと、
実際にできるレベルに到達していることは、合格した今だからその大きな差があったのだと気づかされたような気がします。
また、ねくすとには、評価や得点が記された再現答案が長年にわたり蓄積されています。その活用方法も変えました。以前は、合格者やA評価の答案に記されている論点の確認やキーワードや言い回し等を自身で使えるように知識のストックとして活用していました。それに加え、高得点答案と与件文を突き合わせて、どのようなロジックでこの解答にたどり着いたのか、又どのようなストーリーを描いているのかという視点も取り入れることにしました。
それと、パソコンで入力しながら解答を作成していた時期もありましたが以下の3点の理由でやめました。
1.かなり楽ができるのですが、本試験ではその手順は使えない。
2.文字数を整えていく能力を向上させる機会が奪われてしまう。
3.80分を密度濃いものにしていくために創意工夫を施して解答編集の時間短縮を図る。
最後に・・・
診断士の試験は全受験生に平等に80分与えられています。しかし、その使い方次第で出来栄えも当然のごとく大きく変わってきます。80分で「読み」、「考える」、「書き」の3つの工程を行っていくとしたときに、どの工程にどれだけの時間を使うのかといったタイムマネジメントも重要となります。「書き」のスピードや編集能力の向上は独学でもそこそこ対応できると思います。しかし、ポイントを捉えた「読み」や事例企業の方向性を「考える」という部分は、独学や一方通行の受け身の講座ではなく、勉強会で自身思ったことを積極的に発言し、それに対しての議論を通して自身の考えに修正をかけていく方法が、納得感のある意義深いものであったのかなと思っています。
私自身二次試験で数多くの失敗をしてきたので、そのノウハウ?もかなり蓄積しています。そういった部分も活用して、熱意あるねくすと受験生のサポートをしていきたいと思っています。