Y.I

1.資格取得を目指したきっかけ

私が中小企業診断士の資格取得を目指したきっかけは、いくつかあるのですが、最も大きかったのは「中小企業金融(とりわけ創業支援にかかる金融)の円滑化に寄与したい」と思った事です。

勤務先でたまたまスタートアップ企業の支援をする機会に恵まれたことから、中小企業診断士の勉強を通じて彼らとの関与度を高め、事業者を手助けできないかと思い至りました。

 

2.一次試験について

費用や時間の事情もあり、独学での受験を貫きました。

平成29(2017)年2月に勉強を開始、通勤電車内でのテキスト学習が中心でした。テキストは受験予備校が市販している教科書や問題集(過去問題の解説が充実しているもの)に絞り、基本書には一切手を出しませんでした。その代わり、ネット上の受験生支援団体のブログをいくつか読み耽り、知識の整理に努めました。

平成29(2017)年試験で3科目合格(財務・会計、企業経営理論、経営情報システム)、平成30(2018)年試験で残りの4科目(経済学・経済政策、運営管理、経営法務、中小企業経営・中小企業政策)も合格しました。

 

3.二次試験

平成30(2018)年試験では、一次試験終了後に対策を始め、試験当日まで過去問の前で唸る日々が続きました。後から振り返ると、一次の学習スタイルからの脱却に失敗して学習上の工夫が不足したうえ、圧倒的に演習量も足りておらず、試験前にすでに勝負が見えていたのです。

試験当日、冒頭の事例Ⅰにおいて、タイムマネジメントに失敗。設問一個まるごと空白で出す事になりました。その後悔から、再現答案の作成はおろか、合格発表日まで何も勉強しませんでした。

結果として事例Ⅰ:B、事例Ⅱ:C、事例Ⅲ:B、事例Ⅳ:B、総合:Bで不合格となりました。当日は比較的手ごたえがあった事例ⅡがC評価だった事に、「暗中模索」の言葉が浮かびました。

 

4.ねくすと勉強会

(なぜ『ねくすと勉強会』だったのか)

独学の限界を感じたものの、「正解」が公式には公表されない二次試験において、過去問による学習こそが絶対の近道だと思っていました。学習スタイルを何とか確立するため、予備校への通学も考えましたが、やはり費用・時間面での資源制約から、諦めざるを得ませんでした。

情報収集する中で、広く募集をかけている自主勉強会がいくつかある事を知り、日程の都合がつきそうでOBの方々から指導もいただけそうな『ねくすと勉強会』の門を叩きました。

 

(勉強会のスタイル)

勉強会においては、他の受験生の方と共に、解答手順と同様に設問文→与件文の順に読み込みを行い、互いの思考プロセスを共有していきました。最後に自分の解答を発表していき、互いにツッコミを入れ合います。

OBの方々や他の受験生から、自分の解答に関するアドバイスをもらったり、他の受験生が作成した答案をいただき、比較分析した事は大変な勉強になりました。

関連する1次試験の引き出しが豊富な方もいらっしゃれば、戦略レイヤーを強く意識した一貫性のある解答を出される方もおられます。埋没しないように、自分の意見を述べる事が精一杯で議論にあまり貢献できなかった事もあったように思います。議論が白熱して迷路に入りそうになったときには、OBによる交通整理によって、参加者全員がハッと気づかされた事もありました。

 

(幽霊部員化・・・それでも)

実をいえば、家庭の事情から後半の勉強会には参加出来なくなりました。それでも、

①勉強会で知り合ったOBや受験生の方を思い浮かべながら、「あの方なら自分のこの解答にどんなツッコミを入れてくれるか」という観点で自分の思考プロセスや解答手順を見直し続けた事

②グループウェアで勉強会の議事録や答案が共有され、時には議論がそこで継続されている様子を見て、独学では不可能な勉強ができる事

以上の点で勉強会への参加が非常に役に立ちました。2次試験対策のポイントを自分でまとめた「Final Paper」には、勉強会で得た気づきが多く盛り込まれる事になりました。

 

(心残り)

勉強会以外に実施された様々な企画(例:自主模試やOBによるオプションセミナー)、懇親会にほとんど参加できなかった事は、合格後の今でも本当に心残りです。

 

【最後に】

診断士資格の取得を目指されるからには、皆さん様々な想いや目的がおありだと思います。この勉強会では真剣に当年度での合格を皆が目指しています。

受験仲間と共通の目標である「試験合格」を目指していく時間は、それ自体が、かけがえのない大切な経験となります。私は途中で”幽霊部員”となってしまったわけですが、間違いなく、この『ねくすと勉強会』に参加した事が合格に近づけてくれました。

勉強会でご一緒した受験仲間の皆さん、いつも献身的な姿勢で支援してくださったOBの方々に、この場を借りて、お礼申し上げたいと思います。

試験にはひとまず合格しましたが、自分自身の研鑽も兼ねて、オン/オフラインで勉強会に関与させていただく予定です。引き続き、よろしくお願いいたします。