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  1. 筆記試験合格発表

2014年12月12日、筆記試験の発表確認に銀座の診断士協会ビルへ向かう。10時を若干過ぎ到着。ビル入口に無造作に(?)張り出された紙に数字が並んでいる。胸の高まりを抑え数字を追っていく。縦に番号が大きく飛び、「無いか!」と思い目線を横にずらすと「02359」が飛び込んで来た。「よし!」と声が出て、拳を握った。

早速、インタ-ネットで家族に合格を報告し喜びを分ち合うとともに、ねくすと受験生グル-プウエアへ合格を入力、多くのOBからの祝福メッセ-ジを頂いた。まったく、ねくすとでの2年が無ければ、この合格はなかったと言える。改めて、直接ご指導頂いた12-13OB、および歴代OBの方々に心から謝意を表したい。

 

  1. 受験暦

1年目(2012年)     1次合格              2次不合格ACCD-C(予備校通学)

2年目(2013年)       1次不合格           2次不合格BBAD-B(予備校通学、ねくすと)

3年目(2014年)       1次合格              2次合格 (ねくすと、予備校通信)

 

  1. 合格年度の試験準備

(1)2013(H25)試験を終えて

自身2度目の中小企業診断士試験2次試験を終えた感想は、全く「やられた」感一杯であった。再現答案は書いたものの、各予備校の模範解答・解説等に当たる力も勇気もなく発表日を迎え、予想通りの結果となった。ねくすとでの一年を通じ、頭では、「与件に忠実に」「方向性を意識して」ということを解釈して臨んだつもりであったが、本番では対応できなかった。振り返りを実施し、以下の分析を行った。

①練習と本番は勝手が違う、生半可に理解したレベルの知識では、本番は戦えない

②設問者の問いかけに振り回され、必死に対応しているイメ-ジ。気が付くと一貫性は崩れ、設問要求を外し、与件に薄い思いつきレベルを羅列させられている

③与件の言葉を置き換える、表現が抽象的で因果が飛ぶ、という悪癖が直っていない

とどめに、

④事例Ⅳが全く苦手、財務の基礎が出来ていないため、自身で想定していた「型」から外れ2年連続の足きりとなった、「事例Ⅳ対応の問題」

と、多くの問題が抽出された。このままでは来年も合格は難しい、やり方を大きく変える必要がある、という課題認識のもと、2014年度の試験準備を迎えることとなった。

 

(2)2014(H26)試験準備への方針

①.「必ず、因果で表現する、かつ、因果の因は必ず与件の言葉を使う」

会社では皆が背景を同じくする分、多少理屈が飛んでいても相手は理解してくれる、こうして身についた癖はなかなか直らない。必ず意識して、答案に反映させることとした。

 

②.試験の的(キキタイコト)を理解する

2次試験の問いかけは、抽象的で分かりにくい。しかし、試験であるからには必ず「キキタイコト」があるはずである。この的(マト)を如何に捉えるか、という課題設定を行ったものの、この時点では明確な方法論は無かった。但し、前年合格OBの、「どねくにおける方向性の議論が大変役に立った」との言葉を聞き、まずは、どねくに参加し、与件に書かれている企業の方向性について十分な議論を行なってみよう、と考えた。

 

③.Giveに徹する

ねくすと1年目は、「takeのみを期待する」という訳では当然なかったが、やはり自信がなく、各種の役割対応については消極的であった。しかし、この1年は、やはり「取りくみ方を変えよう」、と考え、どねくのリ-ダ-に立候補することとした。少ないメンバ-の協力を仰ぎつつ、スケジュ-ル・勉強法の作成、会場予約や財務の自主企画等を行なうことで、自分自身を追い込みモチベ-ションの源泉とした。

 

(3)1月~GW・5月末まで

1月からは、「どねくで先行、同じ事例をすいねくで再討議」、というスケジュ-ルを保ち、事例の議論を行った。どねくにはほぼ毎回、OBが参加し議論にも参加してくれ、多くの参考になる話や意見を直接頂けた。どねくでは、与件の読み込みと方向性で半日、残り半日を「突っ込み」に充てる等、十分な時間をかけ、毎週1事例の集中討議を行なった。さらにすいねくで、その修正を行ったベスト解答で議論を行い、他メンバ-やOBから「突っ込み」を受けることで、前年に較べ、高いレベルでの自分なりのベストの答案を創っていくことができた。

GWには「方向性スペシャル」を実施、3日間で1事例5年分/日として3事例を時系列で順に、方向性のみを集中して議論を行った。この時、5年を通しで見ることで、何かが少し見えてきた気がした。いつも繰り返し問いかけてくる「キキタイコト」。

5月末で一旦モードを1次試験対応に切り替えた。前年に受けた1次試験で取りこぼした3教科(経済、企業経営、中小)の受験であるが、リスクへの保険に「情報」を追加することとした。1次への対応中も2次試験を意識し、「企業経営」は問題を解くだけでなく必ず「因果で書く」こと、また、「中小政策」は参考書より「中小企業白書を読むこと」に重点を置き学習することを心がけた。

 

(4)1次試験終了、2次試験準備再開

保険に追加した「情報」を落とすという失態があったものの、予定通り1次試験は通過し、2次試験準備を再開した。1次試験が終わるとあと12週、いきなり終盤モ-ドの様相を帯び、受験生の目の色が変わってくる。ねくすとでは恒例の○○Mが開始、前年お願いした二人のOBへ再度お願いし、試験前の基準となる3年分のベスト答案を作成した。両OBからは前年を含め、普段は聞けない貴重なアドバイスを頂いた。

2次試験準備の本格化に当っては、「試験場でできることは限られている、その場で全てを対応しようとすると時間がない、極力その負担を減らすこと」との考え方を基本に、以下の通り方針を定めた。

①.どねくでの「80分解き」を利用し、手順を固めること

②.事例毎の5年程度の与件文、ベスト答案をクリアファイルに入れ、四六時中確認し、文章表現、聞き方等を体に馴染ませること

③.数年を通しで繰り返し確認し、事例を通じて「キキタイコト」のイメ-ジを自分なりに持つこと。目的は、作問者と自分の考え方を極力同期させることである。共通部分を少しでも増やせれば、設問解釈を外す確率が減ること、テ-マ設定・方向性決定の時間が減りその分与件企業そのものの理解に時間が割けること、反応すべきフレ-ズ、エピソ-ド、キ-・ワ-ドへの感度が高まること、が期待できる。

 

(5)直前期試験準備

直前期は仕事関係が忙しくなってきたため、すいねくの欠席が増えてしまったが、リーダ-でもあるどねくの時間は確保した。スケジュ-ル的には、試験時間に合わせて午前中に2事例、午後から討議、希望者は財務のグル-プ自習とした、事例は年度違いで揃えること、すいねくも事例を合わせることで「今週は事例○の週」となるようにし、これをスケジュ-ル作成の基本単位とした。

休日には、どねくスペシャルを開催した。大きく過去に遡った事例の実施、1日4事例を試験時間通り実施、財務事例(予備校のもの)の集中実施、等である。予備校を替えた模試を受けたが、この頃になると時間配分以外には余り価値を感じなくなっていた。予備校の与件は設問毎が過去問の焼き直し色が強く、一貫性が不十分、難易度を上げるために根拠を薄くしている等、違和感を強く覚え、ほぼ見直しはしなかった。

そして、FP(ファイナル・ペ-パ-)の作成に入った。共通編、各事例編にて作成、また、その中をさらに、【共通】、【設問解釈】、【与件読み】、【解答作成】、【課題の見つけ方】、【重要根拠の見つけ方】に分類し作成した。FP表紙には当日の具体的な全行動スケジュ-ルを作成、その時点での「心掛けること」「自分への応援フレ-ズ」等を書き出し、当日の具体的行動を試験当日まで繰り返し想定し、「アウエ-感」を無くするよう心掛けた。

(6)事例Ⅳの対応

2年連続でD判定を受けた事例Ⅳには、苦手意識を持ってしまった。1次試験は通っているので、文章題の読み取りに課題があるとして、2次試験向けの問題集(2次試験定番の会計試験向け、予備校出版の2次試験向け問題集)をどねくのグル-プ自習を使って計画的に実施していった。また、「全部の年度の過去問を完璧になるまで繰り返せば、『少なくとも他の受験生よりも有利立っている』との自信が得られる」との助言を頂き、全年度の過去問を繰り返し解いた。

 

4.試験当日

当日は、朝起きてから帰宅までの行動をこと細かく箇条書きしたFPの項目通りに、忠実に行動していった。試験中も機械になったつもりで、その時点で行動すべき手順通りにこなすことのみに集中し、雑念が入らないよう心がけた。FPの項目の途中途中には、「振り返らない」、「ラキ-だったと思おう」、「ポジティブシンキング!」との記載があり、自らの気持ちを高め続けた。実際のところ、2事例で自身の業界が題材とされ、直前に読んでいた本の内容が出る等、運を引き寄せることができた。事例Ⅲまでは、それなりに手ごたえを感じながら進んだが、事例Ⅳの文章題では読み違えや時間配分の読みのミスにより、「これはまただめか」という思いで終了を迎えることとなった。

ねくすととして、試験終了後の打ち上げを設定頂いていたが、自分としては、試験完了後すぐに再現答案を書くことを課しており、FPにもその予定を記載していた。理由は、受験生としてできる最後にして最大の恩返しは、「極力正確な再現答案を書くこと」であり、正確な答案とその評語が後の受験生への資産となるためである。

 

5.最後に

1次試験、2次試験(筆記・口述)と、診断士試験は長丁場であり、複数年取組んでいる受験生も多い。「運営管理」にある通り、計画を大・中・小日程計画に分けるならば、日々の勉強時間管理の小日程、試験期間を通した中日程に対する大日程計画とは、「人生においてこの資格をどう活かし、実現に繋げて行くか」の計画であり、自分にとってもこれからの最重要課題である。そう思うとき、受験期間に発生する数年の「ずれ」は誤差の範囲と言えよう。ねくすとで再受験を志す多年度受験生の方には、挫折感や徒労感に囚われることなく、厳しい受験生生活に耐え是非合格を勝ち取って頂きたいと願う。

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