chrysanth

はじめに

ねくすと入会後1年間、水曜日、土曜日とほぼ100%勉強会に参加し、ついに合格にたどり着きました。勉強を始めてから、思いのほか時間がかかってしまい、その間、何度となく、諦めようと思ったこともありましたが、続けてきて本当に良かったと思っています。

経歴

新卒時 某メーカーで海外出向者・留学者等の支援をする部門に勤務
その後 結婚退職→10年以上専業主婦
(その間、大学受験生向けの通信添削の添削者を長くやっていました)
平成15年に社労士資格を取得、社労士事務所に採用され社会復帰
何度かの転職を経て、現在は小規模の社労士事務所に勤務しています。

受験のきっかけ

社労士として、客先の社会保険関係の手続や給与計算、日々の相談対応、といったことに取り組む中で、対応できることの範囲が狭いことを痛感し、「もっと幅広い視点で経営者の役に立てるようになりたい」と思ったことから、受験を決めました。

受験歴

2008年 受験校通信 1次○          2次×(BDBA)
2009年 受験校通学 1次○          2次×(CCCA)
2010年 受験校通学 1次×(経済、法務残し) 2次×(BBCA)
2011年 受験校通学 1次○(2科目受験)   2次×(DCCB)
2012年 ねくすと  1次○          2次○

ねくすととの出会い

 2011年、4回目の2次試験に失敗し、「このまま同じように受験校に通っても一生合格できないかもしれない」と、強く思いました。考えてみると、長く通ったこともあり、受験校ではそこそこの成績を挙げることができていたため、自分から勉強方法を相談したり、質問したり、といったことが全くと言っていいほど、ありませんでした。そこで、ずっと通った受験校に代わる勉強の方法を探していて、偶然インターネットでねくすと勉強会を見つけました。参加したオリエンテーションで、合格された方が、ねくすと勉強会への感謝の言葉を述べられているのをお聞きし、「ここで頑張ってみよう」と思い、入会を申し込みました。

合格のためのヒント

1.企業経営理論はすべての基本
私は、初めて1次試験を受験した年に、ある方から企業経営理論の過去問の取り組み方について聞いたことがあります。それは、過去問を解きながら、知らない論点が出てきたとき、それを1つ1つ書き留めておく、ということでした。時間はかかるが、とても力がつく方法だ、ということでした。そこで、当時、毎日早く出勤し、始業までをその時間にあて、手書きは大変なので、職場に自分のPCを持参して過去問を解きながらWORDで入力していきました。予想どおり、とても時間はかかりましたが、これが、1次対策としてはもちろん、2次対策としても重要な企業経営理論の知識や考え方の習得にとても役立ったと思います。

2.1次7科目はスケジュール管理が重要
1次試験には科目合格制度がありますが、やはり7科目受験が基本です。初めて取り組む際にはこなすべき分量が多く、「試験までに全科目間に合わせるスケジュール管理」が重要になります。中には、非常に時間のかかる科目もあるので、長期的な計画を立て、さらにそれを適宜修正していくことが非常に大事になります。私は、初学の年には通信講座を利用していて、業務の繁忙期等スケジュールが遅れがちになりましたが、「最終的にこれだけこなす」という目標を定め、調整しながらそれをこなしきったのが1次試験合格につながったと思います。科目によっては出題頻度の低い論点は思い切って捨てる、ということも必要かもしれません。

3.1次試験と2次試験を一体のものとしてとらえる
受験歴を見ていただくとわかると思いますが、私は1次試験合格の翌年も、毎年1次試験を受験してきました。ただ、受験校時代とねくすと入会後では、取り組み方を大きく変えました。
受験校時代は、1次試験と2次試験を全く別物ととらえていて、1次試験対策は「選択肢が選べるように」というスタンスの勉強でした。また、全く戦略的な勉強ではなく、「端から端まで覚える」→「スピ問、過去問を最初から順に解いていく」というやり方でした。ねくすと入会後は、OBの方に「戦略的に1次対策をする」というアドバイスをいただき、
・科目によって取り組み方を変える(2次に直結する科目は、2次で問われやすい分野を中心に時間をかけて勉強し、2次に直結しない科目は、重要論点に絞る)
・過去問を分野ごとの横解きで、しかもテキストの掲載順でなく、頻出分野から順に解く
といった方法を取りました。
また、企業経営理論と運営管理は、
・事例を解くときに、使った概念はその都度1次テキストを見直しておく
・1次テキストに出てくるキーワードを、「どんな事例企業なら使える概念なのか」を意識する
といった取り組みをしてみました。
2次筆記試験合格後の口述試験でも、1次知識を聞かれることがあり、その対策時まで上記2科目の1次テキストは使いました。2科目のテキストは、まさに「フル活用」でした。
別の観点でいうと、診断士試験の1次・2次試験に合格するには、1次試験でコンスタントに6割を取れる力が要求されているのではないかと思います。

4.読解力をつける
私は学生時代から国語で苦労したことはなく、文章の読解力にも問題はないと思っていました。しかし、本試験問題を事後に解きなおしてみると、与件の読み落とし、思い込みがたくさんあることに気づきました。そこで、ねくすとに入って最初の時期に、自分の「読み」の問題点を見つけることに関連する本をいくつか読みました。この中には、ねくすとのOBの方に紹介いただいた本もあります。
与件を丁寧に読むことを強く意識するために、ねくすと入会後1~2か月やってみたのは、与件をWORDで入力して(いわゆる「写経」です)、さらに1文ごとに自分の気付き等のコメントを入れてみることです。そこで疑問に思った点等は勉強会の際に他の参加者に質問してみたりしました。

5.読みやすい解答を書く
受験校時代は、解答の「書き方」を特に意識していませんでした。また、例えば理由を問われたとき、「理由は」で書き出す書き方や、箇条書きを何となく「カッコ悪い」と思っていました。キーワードを盛り込むことに気を取られて、100字を1文で書いたりもしていました。その結果、ねくすとに入って3月にOBの方にしていただいた学習相談では、接続詞「また」を多用する自分の癖と、それにより「意図通り読み手に伝わらない」ことの指摘を受けました。同時期に受けた受験校の模試のアドバイス付返却では「解答が口語調ですね(=日本語としては読みやすいが、診断士の文章になっていない)」との指摘も受けました。
それ以降、解答の書き方を変えました。ねくすとの合格者の再現答案や、毎回の勉強会で交換する他の参加者の方の答案を参考にし、「理由」を問われれば「理由は」で書き出す、論点をいくつか並べるときは箇条書きを使う、といった書き方に改めました。
もう1つ、ねくすとに入ってごく早い時期に、OBの方のアドバイスを受けてやってみたのは、「設問の字数制限にとらわれず、制約や盛り込むべき要素を網羅した解答を作ってみる」ということです。最初のうちは、「字数に合わせて解答にどこまで盛り込むべきか」の判断が難しいです。字数の制限に合わせるために、「尻切れトンボ」のような解答になってしまうこともあります。自分の書きたいことを全部盛り込むと、たいていの場合は字数を大幅にオーバーしてしまいます。しかし、それは書いたことの中にムダがある、ということですから、優先度が低いと思う部分をけずっていけばいいわけです。

6.財務会計の力をつける
私は、受験校を長く利用していましたので、そこで経営分析の指標選択や記述については、一定のノウハウを身につけることができていたと思います。私の受験1回目~3回目にあたる2008年~2010年にかけては、事例4の第1問で、毎年ほぼ同様の形式の経営分析が出題されていましたので、そこの解答精度を高めることで、毎年A判定を得ることができていました。それで、「事例4はもう大丈夫」という誤解をしていました。
しかし、ねくすとに入会し、それが全くの誤解だったことに気付かされました。(ファイナンスの理解が全く不十分でした。)また、ねくすとでは多くの合格者の方が「財務は毎日やらなければだめだ」と言われていたため、初めてそれを実践しました。受験校では、「毎日」がそれほど強調されなかったため、毎日取り組んではいませんでした。
ねくすと入会後の1年間は、毎日昼休みを財務の問題を解くことにあてました。飽きないよう、問題集を代えながら、継続していきました。これで、事例4については、ある程度傾向が変わっても大丈夫、という自信がつきました。事例4は、試験後に「落ち着いて考えればできたのに」とおっしゃる方が多いと思いますが、そういうレベルではなく、「身体が覚えていて、反射的に解ける」レベルにしておかないと、緊張し、また事例を3つ解いた後で疲れている本試験の状況では、時間内に、正確に問題を解くことはできないと思います。

7.事例の本質をとらえる
ねくすと入会前は、毎年本試験のたびに「今年も例年と全く違うことを聞かれて太刀打ちできなかった」と思っていました。しかし、前述のねくすとでの学習相談で、「毎年問われることは変わっていない」ということをお聞きしました。そのとき、年度をまたいで過去問を分析してみるとわかる、ということでしたので、自分なりに分析をしてみました。それと、その後お聞きしたねくすと流の「方向性」のお話から得たことで、「確かに毎年聞かれることは変わっていない」ことを初めて実感することができました。合格した2012年の試験も、解答には失敗した部分もたくさんありますが、少なくとも解いている間は「いつもと同じだ」と感じることができていました。これは、読んでくださっている皆さんそれぞれにやってみていただきたいと思います。

8.徹底的に解き直しをする
受験校時代は、カリキュラムのごく初期を除いて、毎週答練がありました。模範解答がすぐ示されることもあり、自分の解答と模範解答を比較して「どの要素が足りなかったか」は見つけても、しっかり解き直しをすることがおろそかになっていました。また、「なぜその要素を入れられなかったか」という分析も不十分だったと思います。ねくすとに入会してからは、毎回つっこみを受けたところを中心に、他の参加者の解答の仕方も参考にして、解き直しをして、その時点での自分なりの「ベスト答案」を作成することに力を入れました。また、足りなかった論点については、「どうしてそこを拾えなかったか、どう考えればそこに気付けるのか」を考えるようにしました。

ねくすとについて

 OBの方や同じ受験生の方から、毎回解答に多くのつっこみをいただきました。受験校時代とは違い、いただいたつっこみをもとに、解答を再検討したり、解答作成過程のどこがまずかったのか考えたりすることで、受験校時代よりはるかに「深く考える」ことができたと思います。解答以外でも、さまざまな経歴を持つ方々と議論することで、自分の考えの幅も広がったのではないかと思っています。
また、受験校時代は、カリキュラムが終了してから2次試験本番までは自分だけで勉強せざるを得ず、毎年とても不安でしたが、ねくすと勉強会では、直前まで勉強会がありますし、ぎりぎりまでOBの方に質問や相談をすることができ、安心して勉強を進めることができました。2次試験後の勉強会での議論は、口述試験に役立ったと思います。
さらに、1次試験、2次試験当日の朝には会場近くの喫茶店にOBの方が待機していてくださり、激励していただきました。本当に心強く感じました。

最後に

 ねくすとに入会してから1年、OBの方々や受験生の皆さんには本当にお世話になりました。また、毎回の勉強会参加に協力してもらった職場の上司、勉強会のために家を空けることに文句を言わずにいてくれた家族にも、感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。
今後も、引き続き勉強をしながら、自分がどんなことで社会に貢献していけるのか、考えていきたいと思います。診断士の勉強のために少々おろそかになっていた社労士としての勉強にも、今後は力を入れ、社労士としてもさらに力をつけていきたいです。

この体験記が、中小企業診断士を目指される方々に、少しでもお役に立てれば幸いです。3

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