もり

~ねくすとでの1年間の歩み~

私が今こうして合格体験記を書くことができたのは、1年間ねくすとの受験生仲間・OBの方々からたくさんのご指導ご鞭撻を頂いたためであると本当に実感しています。改めてねくすとの皆様にお礼を申し上げます。1年間ありがとうございました。

今後は、今まで私がねくすとの皆様から受けた恩をお返しするという意味で、1年間受験生の皆様をフルサポートしていくつもりですので、どうぞよろしくお願い致します。

2009年12月

2次試験の不合格通知を受けて、今後どのように勉強を進めていけばこの試験に合格できるのだろうかと途方に暮れていた頃、ふぞろいな合格答案で存在を知っていた、ねくすと勉強会への入会を決意しました。
今まで独学で勉強をしていた私にとって、自主勉強会に参加して皆様と議論を行うというのは経験がなかったので、ねくすと勉強会は全てが新鮮でした。
キックオフ当日の体験勉強会から熱い議論が交わされており、私は議論についていくことができずただ圧倒されるばかりでした。
この時、私は自分の実力の無さを実感し、「このままでは来年も必ず不合格になる!この勉強会をフルに活用して、来年の本試験までに必ず合格できる力を身につけてやる!」と決意しました。

2010年1月(第1フェーズ)

当時の自分の課題を、「与件・設問を読み込む力が弱い」と認識していた私は、すいねく・どねくだけでなく、「げつねく」にも参加することを決めました。
そこでは、大御所のOBや私が目標に置いていたリーダー(以下、リーダー)をはじめ、ねくすとの実力者が集い、与件の一文読みに時間をかけることによって、自分が読み取ることができなかった多くの気づきが得られました。
また、方向性や解答プロセスを議論することにより、自分のプロセスとの違いを認識して、どうしてそのプロセスになったのか?を時間をかけて考えて、プロセスを修正していきました。

2010年2月

げつねくへの参加を行い、週3回のねくすとにも慣れてきた頃、新入会員としては遅めでしたが、MLへの解答をアップすることを決意しました。
げつねくでは方向性や解答プロセスの議論を行っていたので、それを踏まえた解答(平成13年事例Ⅰ~)を毎週アップすることを決めました。
初めて解答をアップしたときは、「どんなつっこみを受けるのだろう」「あまりにもレベルが低くてスルーされてしまうのではないか」などと不安でした。
しかし、自分が思っていた以上に厳しいつっこみをリーダーや会長のOB(以下、会長)から頂きました。
この時はまだ自分の解答に対する自己つっこみができておらず、「因果関係がおかしい」というつっこみを頂きました。
このお二人にはMLでは常につっこみを頂くことができました。

2010年3月(第2フェーズ)

これまでは、議論やMLではどちらかというと受け身の姿勢が強かったのですが、仲間の解答などにつっこみを入れるようになりました。
そして、すいねくで受けたつっこみから、更なるベスト答案を追求するため、MLに解答をアップして多面的なつっこみを受けました。特に、「日本語がおかしい」「読みにくい」等のつっこみが多く、それらが当時の私の問題点でした。
読みやすい解答とはどのようなものなのか?MLにアップされた過去のOBの解答を徹底的に研究し、自分の弱点の克服に努めました。
3月31日は、会社の年度末決算のために初めてすいねくを欠席し、皆勤の目標が途絶えました。

2010年4月

桜が咲く頃、例年は、趣味のドライブで花見に行ってましたが、今年はそれも我慢して、勉強に専念しました。
この頃にもなると、08OBの方からもMLでつっこみを受けるようになり、本当に多面的な角度から事例企業について考えることができるようになりました。
それでも、げつねくの大御所のOBからは、「森川さんは今のままでは合格する確率はゼロですよ。でも今後もこのペースで勉強を続けていけば必ず受かります。」と、爽やかに言われおり、それがモチベーションの維持になりました。

そして、4月にはTACの模試を受験しました。当時は、80分のタイムマネジメントがほとんどできておらず、全体の方向性を捉えずに1問ごとに解答をしておりました。結果は、1,529人中687位でC評価でした。結果には固執せず、全体の方向性を捉えて解答作成に向き合うことを課題としました。

2010年5月

この時期になると、どねくでは、中だるみのせいか、参加者の数が少なくなり、議論がいささか寂しくなりはじめました。(2人で議論をすることもありました。)
ここで私は初めてどねくの2次組の運営に関して提案をしました。
内容は、午後の議論を2部構成にして、前半はすいねく事例の再議論・後半は平成13年事例Ⅰから遡るかたちでの議論を行うというものです。
これにより、私の週間学習スケジュールはかなり厳しくなりましたが、とても充実しておりました。
そして、すいねく・げつねくの議論、MLを通じてベスト答案の作成をひたすら作り続けました。

2010年6月

一貫性を意識するあまり、与件の根拠が薄い部分を事例企業の方向性に持ってきてしまう解答作成や、一つ一つのロジックが適切でない等、この時期にしてはとてもベスト答案とはいえないものがあり、苦しんだ時期でした。
しかし、なぜその解答に至ったのかのプロセスの修正を行うことは欠かしませんでした。

2010年7月

7月は第1フェーズ最後の月であり、時間をかけられるベスト答案の作成も最後の月となりました。(8月以降はすべて80分での解答作成で臨んだためです。)
本当にこの時期のベスト答案と呼べるのか半信半疑でしたが、時間だけは刻々と過ぎて行き、不安のほうが大きくなりました。
そして1次試験の申し込みもしていたため、1週間前になると2次の勉強から離れて1次の勉強に専念しました。

2010年8月(第3フェーズ)

1次試験が終わってからは、本番対策強化という意味で、全ての解答を80分で作成し、タイムマネジメントの確立に努めました。しかし、今までのベスト答案作成と違って、考える時間が限られているため、「時間が足りない」「与件を読み落としている」などの問題がありました。残り2ヶ月で80分で合格答案を作成することができるのか不安になりました。
また、MLで会長からつっこまれて、新たな課題も明確になりました。それは、
①設問で問われていることに、素直に答えること。
②与件を最重要視して、妥当性の高い解答を書くこと。
です。
この2つはとにかく本番まで常に意識しました。
この時期に会長に「素直じゃない」とつっこみを受けたのは、私にとって大きな転換期となりました。
8月下旬にLECの公開模試を受験しました。
結果は、中位くらいで決して良くはありませんでしたが、「タイムマネジメント」「素直に答える」「与件の言葉を使う」といった本番を意識した取り組みはできたと思います。
また、この時期からTACの集中特訓を使って財務を毎日行っていきました。

2010年9月

本番まで2ヶ月を切り、すいねくでは解答つっこみ中心の議論、どねくでは80分その場解き、夜の財務その場解き、更に、下旬になると初見問題の80分その場解き、などを行いました。そして、気になる事例を会長に直メールで、しつこいくらい送りつけて、つっこみを頂いておりました。
「読みやすい解答です」とご指摘いただいたときには、初めて認められたかな?と思うと共に、ようやく1つの課題を克服したと思い、自信をつけることができました。
財務SPでは、財務のスペシャリストのOBに企業価値について、わかりやすく講義をしていただき、苦手意識の強かった論点の基本がわかるようになりました。本番までの財務は企業価値を中心に毎日ひたすら問題を解いておりました。
また、ストレート合格のOBからねくすとの過去の再現答案のファイルを送っていただき、通勤時や、昼の休憩時に合格できる答案の分析を自分なりに行っておりました。するとやはり、合格者の答案は、①日本語として読み易い、②問われていることに素直に答えている、③与件の言葉を使っている、などの共通点を発見することができ、改めてこれらの重要性を認識しました。
クレアールの公開模試を受験しましたが、概ね、「タイムマネジメント」「読み易い解答の作成」は実行できるようになり、偏差値が53.8でほぼ中位でしたが、結果にはこだわりませんでした。

2010年10月

泣いても笑っても本番まで1ヶ月を切り、「にちねく」なども活用して、初見80分対応をひたすら行いました。仲間それぞれの80分プロセスを確認することができて、自分に足りないものは取り入れるようにしました。
本番前最後の10月16日の議論では、実力派の2人のOBから本番への心構えや、直前1週間の過ごし方などを聞くことができ、とても参考になりました。
私の最後の議論はこの日に4人で行っておりましたが、直前期ということもあり、ほとんどつっこみどころがなく、皆さんの完成度の高さを実感しました。結果的にこの4人は全員合格しました。
1週間前は、すいねくには参加せずに体調管理を重視しつつ、財務の計算のみを行いました。そして、本番を迎えました。

2010年10月24日

不思議と気持ちが落ち着いた朝を迎えたその日、どんより雲の中、私はOBと仲間が待つ喫茶店に向かいました。そこでは1年間本当にお世話になったOBとお話することが出来、いつもと同じ状態でいることができたと思います。また仲間とも顔を合わせることができ、みんなでがんばろう!という一致団結感のようなもの実感して、いざ、リバティーへ出陣しました。
しかし、実際、会場に入ると少しずつ緊張感が高まっていくのがわかりました。そして、本番に臨むにあたっての心構えとしては、
①遅くとも40分を経過したら書き始める。
②SWOTと社長の思い(方向性)は読み落とさないように、ラインを引く。
(SOは青、WTは赤、思いは黒)
③無理なく、分かる問題から解き始める。
などを、必ず実行するように意識しました。

事例I・・・過去問を丁寧に解いていればこなせた事例

自分にとって苦手意識の強い問屋でした。しかも今年は組織図に関する問題が出題するとヤマを張ってましたが、そうではなかったです。与件自体は読み易かったのですが、解答の根拠となりうる要素がちりばめられており、どこをどの設問で解答するかという対応付けに非常に悩みました。
第1問(設問2)は20年事例を、第3問は17年事例を思い浮かべながら、解答しました。第2問(設問2)と第3問は、論点を2つずつくらい入れたかったのですが、無理せず、1つ1つのロジックを丁寧に解答しようと割り切りました。
第4問のような事業拡大のアドバイスは、最初にすすむべきか否かの結論をはっきりさせて、具体的に答えることを心がけました。

事例Ⅱ・・・情報整理が複雑で、マーケらしからぬ事例

設問を最初に読んだときは、新規事業の問題がなくてホッとしました。(苦手意識が強かったので。)
「Bポイントカード」「グリーンポイント」の情報が、初見ではわかりずらくて、かなりこんがらがってしまいました。第1問がいきなりかなりの難問に思いました。「具体的に」「考えられるか」って・・・。この問題は後回しにして、終了5分くらい前に与件の言葉を抜き出しつつ、方向性と照らし合わせて解答をしました。しかし、抽象的な解答だ・・・とかなり悔しい思いをしました。
第2問は、「地元の中高年女性」に対して、どのような便益を与えたのか、与件に根拠が少なく苦労しました。「地元に深く根付く」「売り場づくり、品揃えを工夫」「地元の中高生女性を積極的に採用した」から、うまくロジックを作りあげて解答しました。第3問のインターナルマーケティングは、17年事例で、効果まで解答するよう会長につっこまれたので、それを意識しました。

事例Ⅲ・・・不合格を確信した悪夢の事例

事例Ⅰと事例Ⅱは、可もなく不可もなくやり過ごした・・と、思っておりましたが、この事例でその気持ちは一気にかき消されました。
第2問が、何を答えてよいのかさっぱりわからなかったため、第4問から書き始めました。方向性は見え易かったですが、140字と長かったため、方向性と対応策のバランスに気をつけました。第3問はQCDの切り口で答えました。第2問は配点が40点で青ざめました。どのくらい悩んだか覚えてないですが、残り時間を考慮して、最終的には与件をコピペするという荒業に出てしまいました・・。
第1問の最後の解答時には、残り1分を切っており、手の振るえを必死に押さえながら書きました。終了の合図が鳴った時は、一瞬頭が真っ白になり、「ダメだ!終わった!」という思いで一杯になりました。

事例Ⅳ・・・去年に比べて易化し、取り組みやすかった事例

事例Ⅲのショックから完全に立ち直れないまま、事例Ⅳを迎えました。しかし、体力的には思った程疲れがなかったので、なんとか落ち着いて取りかかろうと思いました。与件自体は、短く読みやすかったので内容はすぐに頭に入って来ました。問題を一通り読んでも、グラフの記入は意外でしたが、CVP,NPV共に複雑な制約条件はなく、計算は簡単だなと思いました。
経営分析は去年と同様に長所と短所を問われており、かなり悩みましたが、その後で短所を解決しうる明確な設問がなかったため、全て長所をあげて解答しました。
第4問(設問1)は20字と短文でしたが、できる限り因果を意識して書こうと心がけました。

そして、全ての事例が終了しました。
思った程には疲れはなかったですが、事例Ⅲのショックが大きく、いつの間にか振り出していた雨に打たれて、かなり心が落ち込みました。
その日の居酒屋でみんなと顔を合わせて会話ができたのが、本当に救いでした。

2010年11月

この月は、試験のことは忘れて羽根をのばすため、ねくすとには参加しませんでした。しかし、日に日に合格発表が近づくにつれて、また1年間勉強しなければならないのかな・・なんとか合格しないかな・・という思いが駆け巡るようになりました。

そして、2010年12月10日

その日の2日程前から風邪で体調を崩しており、繁忙期で帰りも遅かったため、合格発表をなかなか見ることはできませんでした。ようやく心を落ち着かせてPCで確認すると、なんと自分の番号がありました!とても信じられず、30分程PCの前から動けませんでした。本当に嬉しかったです!

長くなりましたが、以上を持ちまして、私のねくすとの1年間の歩みとさせて頂きます。モチベーションの高い仲間と、本気でサポートしていただいたOBには感謝しております。
本当に本当に、ありがとうございました。

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