はじめに
ねくすと勉強会でご指導いただいたOBの皆様、一緒に勉強していただいた受験生の皆様、皆様のおかげで合格を手にすることができました。私にとって2次試験は未知の世界でありましたが、ねくすとでの切磋琢磨が合格の方向性を示してくれたと考えております。ねくすとに在籍して学習を継続できたからこそ、様々な「気づき」を得ることができました。
特に2次試験そのものに対してだけでなく、現役診断士から直接お聞きする中小企業の実情や診断士の役割など、ねくすとならではの情報が与件企業の理解、ひいては答案作成のベースとなる考え方の醸成に大変役にたちました。誠にありがとうございました。
1.受験歴
2010年 一次試験 × (財務、運営、情報、中小が科目合格)
2011年 一次試験 ○ 二次試験 × (ACBD-C)
2012年 一次試験 × 二次試験 ○
※簿記2級はかなり昔に取得したため、2次試験1発目には歯が立たなかった・・・。
2.受験の動機
純粋な動機は、日本経済を支えているのはやはり何といっても中小企業であり、中小企業の成長や苦境からの脱出に向けた支援をしたいと思ったからです。
ですが実際には、勤務先が債務超過で倒産寸前にまで至ったり、その後の経営統合や合併で経営スタイルや企業文化が大きく変わってしまったこと、また、今まで貢献してきた年配の社員が簡単にリストラされたり、定年延長の条件が厳しかったりで、長く働けない会社になりつつあることを実感したため、まだ頭が回る今のうちから準備しておこうと思ったのがきっかけで、上記の純粋な動機につながっています。
3.受験1年目-一念発起
忘れもしない3年前の正月に、一念発起してテキストを数科目分を購入して学習を始めるも、学習のペースが掴めず、通信講座を受講することにしました。7教科ともすべて課題を提出し、準備万端のつもりで受験に望みましたが、企業経営理論、経済、法務が届かず、翌年に持ち越しとなりました。敗因は直前期にとある事情で約3週間学習に専念できなかったため、とそのときは考えていました。でも今考えるとそれは違うと言えます。6割得点すれば良い試験なのだから、きちんとやれば結果につながったはずで、意識高く集中して学習に取り組めていなかったことが真の原因です。
4.受験2年目-1次試験に向けて
残り3科目となった2年目は、楽勝の気分で過ごしていました。1次試験が終わってから2次試験に取り組めば良いと思い込んでいたため、1次3科目の学習しかしなかったのです。こんな学習方法がNGであることは、周囲に受験経験者がいればすぐ分かることなのですが、独学で学び、特にネットでの情報収集もしていなかった私には気づくすべがなかったのです。そして1次試験が近づいた7月になって、ネットで「ねくすと勉強会」を見つけ、たまたま中途募集をしていたことから応募し、参加させていただくことになりました。
ねくすと勉強会での学習のスタートは1次組だったのですが、ねくすと勉強会の学習スタイルが知識の拡充にとても有益でした。それまでの私の学習方法は、正しいと思われる選択肢を選択することに終始していました。そのため、選択肢の内容を少しひねられるともう正答できないといった程度の実力しかありませんでした。1次試験日まで残りわずかな時間しかなく、限定された範囲ではありましたが、明確に正誤を判定できるように学習することで、関係する知識の整理ができたと思います。
5.受験2年目-2次試験に向けて
1次試験終了後、すぐに2次試験の学習にはいり、ねくすとのつっこみを体験しました。ねくすとでの学習を1回経験したとは言え、まだまだどうしてよいかわからず、ねくすとだけで大丈夫なのか不安であったため、某予備校の直前短期コースを申し込みました。そのコースは、ねくすとと同じように班別にグループ分けして答案のつっこみを行う、といったもので、ねくすとと変わらんなぁ、という印象がありました。ただし、毎週4事例とか解く課題があったので、解いた事例の数は多かったという覚えがあります。
ねくすと+予備校とダブルで頑張りましたが、1度も2次試験を解いたこと無く2ヶ月間で2次試験を迎えるのは、あまりに無謀でした。早いうちに2次試験の学習も並行して進めておくべきだった、というのが1回目受験失敗の反省点です。
6.受験3年目-背水の陣
権利のある2次試験2回目は、とにかく事例にあたる、とことん事例に向き合う、財務を毎日やる、といった覚悟と計画ですすめました。すいねくだけでなく、どねくもフル活用しました。早いうちに某財務会計問題集を一通り終わらせることで、少し自信がついた気がしました。ねくすとのイベントのひとつである診断士祭りでOBの話を聞いてモチベーションを高め、ゴールデンウィークにはスペシャル企画を有志でやりました。もちろんMLにアップしてつっこみをもらうということもしました。そしてどねくメンバーを中心に9月、10月の祭日などにスペシャル学習を企画しました。
ところがです。10月に入って間もない日曜日に、腹部の病気にかかってしまいました。入院したら受験は厳しくなるのは明白でしたので、入院せずに投薬治療で学習を続けました。ですので大事をとってすいねく、どねくを休みました。スペシャル企画の6事例解きにも参加できませんでした。幸いなことに1週間で回復し、それからまた気合が入りました。図書館にこもって1週間遅れで1人7事例解きをやり、また、最後のどねくにも顔を出して、皆と頑張るという気持ちを強くしました。
7.試験当日
緊張していたのでしょう。駅を出てから試験会場とは反対方向に歩いていました。あまりに人が少ないことに違和感を覚え、引き返しました。まあ、これで自分は緊張しているなということを自覚し、リラックスするように気持ちを切り替えるきっかけになりました。
試験会場近くでOBの激励を受けて気持ちを高め、会場に向かいました。会場は大変に広く、右となりを見るとねくすとの仲間で、同じ会場内に何人かねくすとの仲間がいました。
事例Ⅰの時間を迎えました。やるべきこととやる順番(とにかく受験番号を書き忘れないこと)を何度も念じました。そして組織・人事だぞ、マーケじゃないぞと心の中でつぶやきながら解答を開始しました。時間が足りなくならないよう、ストップウォッチを確認しつつ、80分間、考察と解答案作成に集中しました。最後の解答を書き上げると時間が余っており、出だしとしては抜群のできだと自分では思いました。
そして事例Ⅱの時間を迎えました。事例Ⅰよりも時間がかかりそうな印象でした。最後の5秒で誤字を1つ発見・修正でき、よし!オッケー!と心の中で叫んでました。
昼休みをはさんで事例Ⅲの時間です。若干苦手意識のある事例Ⅲでしたが、今回はグラフが3つもあり、一瞬、えっ?という感じでした。しかしパニックにはならず、文章でわかりにくいヒントを探すよりは、グラフのほうが数字や傾向をつかみ易いから明確なヒントを探しやすい、と頭を切り替えることができました。設問ごとに問題用紙に論点を文章で箇条書きしながら解答を作成し、あとは書き写す方式で時間内に終了できました。
さて、最後の事例Ⅳです。3事例やりきった感満載で事例Ⅳの時間を迎えたこともあって、自分の心の中では、行けるぞ行けるぞ、と気持ちが高まっていました。それなのに、ふたを開けてみてびっくりです。また出題パターンが変わっているではないですか。4科目めではじめて焦りまくりました。でも、計算結果がすべて間違っても合格している人がいるという過去の例を思い出し、計算結果の正誤は大事だが、計算に時間をかけ過ぎて計算過程や200字を埋められないことは絶対ないようにしようと考えました。計算結果が合っているかどうかはまったく自信がありませんでしたが、計算過程や200字問題はすべて埋めるという目標は達成しました。
8.結果発表
発表当日、仕事中に中小企業診断協会のWebサイトにアクセスする勇気はなかったので、家人に「簡易書留がきたらメールして」と頼んでおきました。すると、15時半ごろに携帯にメールが着信し、「簡易書留がきました」というタイトルがありました。協会のサイトで自分の番号を確認することができました。本当にうれしかったです。3年間のハードな学習生活の成果が出たのですから。
その日の晩はねくすとの祝賀会です。合格メンバーも義務OBもビールかけでも始まるかのような大変な盛り上がりようです。はじめてお会いする少し前のOBにも参加いただいて、本当にねくすとのつながりのすばらしさを感じました。
9.最後に
ねくすとで学習する受験生に向けて、私がねくすとで得られた「気づき」をご紹介いたします。(項目だけご紹介します。入会後に内容を確認していただきたいと思います。)
(1)一次知識の学習法
(2)ベスト答案と合格答案
(3)謙虚、感謝、継続は力なり
(4)診断士の役割の認識
(5)過去問に勝るテキストはない
(6)財務会計を好きになる
以上、とりとめもなく長々と書いてしまいましたが、これが執筆活動の始まりだということでご容赦願いたいと思います。
OBの皆様、受験生の仲間の皆様、そして3年間黙って支えてくれた家族に、心から感謝いたします。誠にありがとうございました。そして、これから合格を目指す受験生の皆様、わき目を振らずに必死に頑張ってください。あきらめず、腐らず、陽気に前向きに継続して、ぜひ合格を勝ち取ってください。期待しています。