2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

切り口の使い方 ふたたび(2)

切り口の使い方について、前回に引き続きお話ししたいと思います。前回は、マーケティングの4Pで導かれた各要素について問いを立てることについて説明しました。今回は、そこから解答までどのようにつなげていくかについて取り上げます。

前回のコラムでは、介護付きツアーの顧客は、新しく開発・改良した商品に対していくらか追加的な支払いを受け入れるだろうという社長の「読み」があると言えるだろうとしました。それを踏まえ、別の問いである「顧客は何にさらにお金を払うのか」の問いを取り上げてみましょう。

ここで大事なのは、こうして立てた問いに対して、もう一度フレームワークや切り口を適用して分析することです。フレームワークや切り口をうまく使えない方の多くは、与件や設問の分析にフレームワークや切り口を使うだけでとどまっています。ですから、前回お示ししたように、要素の分類で分析が止まり、その背景にある真の理由までたどり着けないのです。

顧客がさらにお金を支払ってくれるような価格の決定要因に何があるかを、SWOTを用いて分析しましょう。事例企業はX市内の企業の海外研修の請負から、事業を拡大させてきました。そしてそうした事業拡大には、社長の歴史に関する説明を顧客が支持したことがあります。つまり、社長(と社員)の歴史に関する知識は「強み」といえます。その強みは今でも強みです。ではこの強みに対して顧客のさらなる支払いが期待できるでしょうか。

与件では、「できることならまた事例企業のツアーに参加したい」という元顧客の存在が示されています。その背景には、歴史に関する説明を組み合わせたツアー商品に対する一定の需要があると考えても良いでしょう。元顧客らは、事例企業のサービスが嫌いになったわけではなく、高齢化による体力の衰えで一般的なツアーに参加しづらくなったので、事例企業の商品購入を控えざるをえなかったわけです。しかし、顧客の体力の衰えは「介護付きツアー」商品によりカバーできるようになりました。あと足りないのは、単に旅行に行くことにプラスする何かですね。ここまで書けばもうお分かりでしょう。歴史に関する説明に対して若干の料金を追加することで、本顧客の復帰や、現顧客の客単価上昇を期待できると合理的に説明できますよね。

ここまで書くと、「なんだ当たり前のことじゃないか」と思われるかもしれませんが、その当たり前にたどり着くために踏むべき手順を踏まないと、80分の中で解答までたどり着くことができません。この問題では、客単価を向上させるという「企業側の理屈」ではなく、「顧客は何にさらにお金を支払うか」という問いを立てたが故に、事例企業の社長の歴史に関する知識や説明が、「顧客のさらなる支払いを引き出すパワー」としての強みであるというロジックを導くことができました。こうした解答作成の感覚が身につけば、どのような初見問題にもたじろぐことなく対処できると思います。

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