2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

「考える」ことはケミストリー

前回、「オニヨメ」について説明しました。今回は、読んで得た情報からどのように考えるかということについてお伝えします。

ご存知のとおり、中小企業診断士二次試験の設問は、分析型と提言型があります。分析型は、経営環境や事例企業の経営課題などを分析させるもの、提言型は事例企業にソリューションを提言させるものです。それぞれの設問タイプに対して、どのように対応すればよいでしょうか?

よくあるのが、与件文に書かれてある情報(データ)を組み合わせて、一次知識の解釈を加えるという方法でしょう。確かにその方法で対応できる問題もあるのですが、「考えられる理由」を書かせるような、与件文から直接的に情報を引用しにくい問題も出題されます。後者のようなタイプの問題を苦手とされている方は、かなりいらっしゃるのではないでしょうか。私も同じように悩みました。

いろいろ考えた末にたどり着いた対応方法は、「考える」プロセスを、化学反応式のイメージに置き換えたことです。例えば、水酸化ナトリウムと塩酸から塩化ナトリウム(塩)を作る化学反応式は、NaOH + HCl → NaCl + H2O でしたよね。また、食塩水を電気分解すると、2NaCl + H2O → 2NaOH + 2Cl + H2 です。この考え方を、分析型問題と提言型問題に置き換えるのです。

前者に該当するのが提言型問題です。つまり、与件のある要素(NaOH)に、一次知識や別の与件情報や与件の背景要素(HCl)を化合させることで、ソリューション(NaCl)と副産物(H2O)が生み出されるのです。このとき、副産物は事例企業にとってメリットになる場合と、デメリットになる場合があります。メリットの場合は期待効果を書きます。デメリットの場合はその対処を書けば、答案として成立します。

逆に、後者に該当するのが分析型問題です。例えば、経営環境という食塩(NaCl)は何からできているかを分析する場合、そこに水(H2O)である一次知識(例えばSWOT)を加えて分解してやると、外部環境という水酸化ナトリウムとNaOHと、内部環境という塩素Clが導かれます。このとき副産物として水素H2も作られますが、これは分析しきれなかった要素と考えればいいでしょう。設問の解答にあまり重要でなければ無視してよいでしょう。

最近では、一見関係ない要素同士の組み合わせが思わぬ効果を生むことを「ケミストリー」と言いますよね。経営とは、そんな「ケミストリー」の連続です。それを経営者に気づいてもらい、新しい価値を生み出すお手伝いをするのが診断士の役目だと考えます。「これとこれを組み合わせれば、こんなことが言えるんじゃないか」という問いをどれだけ立てられるかが、解答の幅を決めるのだと思います。そのためにも、読むプロセスで、経営課題につながる要素や背景をあぶり出し、よく理解することが必要なのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください