2015年 コラム・つぶやき マーケティング 勉強法(二次試験)

事例別のポイント 事例Ⅱ マーケティング戦略(3)ソフトが強い?

事例Ⅱのポイント3回目は、事例企業のソフトな能力をどう使うかです。

これまで何度もお話ししていますが、マーケティング戦略とは、自社の商品やサービスをどのようにして消費者に知ってもらい、買ってもらうかに関する戦略です。そして、その手段の多くは、それほど大きな投資を必要としないものです。広告宣伝会社と長期契約して、全国規模で大々的にテレビ広告を打っているのであれば別ですが。

事例でよく出てくるのが、既存顧客にダイレクトメールを出しているとか、新聞の折り込み広告を入れているだとかといった程度のものです。しかし、環境の変化があって、それがうまく機能していないというのが一般的な出題パターンのひとつでしょう。ここで大事な視点は、売りたい商品やサービス、自社の強み、マーケティング戦略がうまく結びついているのかということです。そしてその結びつきが、その企業の課題解決にとって効果的なのかということについても留意しなければなりません。

平成26年の事例Ⅱですと、第4問で、介護ツアーの客単価を高くするための商品開発や、既存商品の改良について問われています。振り返ってみると、第2問では、新規顧客を獲得するためのプロモーション戦略も問われています。この2問を合わせて考えると、介護ツアーの対象となる新規顧客には、家族や施設を通じて事例企業の商品を知ってもらうプロモーション戦略をとります。そして利用回数を増やしてもらい、年間あたりの客単価を増やしてもらいます。しかし、同じような商品ばかりでは飽きてくるでしょうし、他の競合の出現も考えると、一回あたりの客単価が上がるような魅力的な商品開発が必要です。それが第4問で問われています。

また、第4問のもう1つの狙いは、離反してしまったこれまでのB社の顧客を取り戻すことです。ここで与件文には、『「行けるものなら好きだった B 社さんのツアーにまた参加したい」という声も多数寄せられた』とあります。つまり、過去B社のツアーが好きで、それを懐かしむお客さんに、どのような強みを生かした商品を提供しアピールすれば、彼らが戻ってくるのでしょうか。そこは事例企業の経緯にヒントがあります。そしてその戦略の実行には、大きなコストはかかりません。なぜなら、すでにある強みの活用で済むからです。すでにあるソフトの強みを、ドメインにどのようにぶつけていくかという意識が、マーケティング戦略の鍵です。

次回からは、事例Ⅲのポイントについてお話ししたいと思います。

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