Actionに関する連載も、二次試験の3要素の「書く」に入ります。今回のテーマは「何を書くか」です。「読む」と」「考える」のプロセスを通じて、多くの方は解答骨子を作成することと思います。解答骨子というと、解答に含めるべき事項だけ考えつけばよいかといえば、そうではありません。解答内容が、事例企業の課題に直結するものであり、与件文の内容を因とした因果関係で書かれるべき内容でなければならないということです。
予備校や勉強会で、解答内容が「一般論的です」と書かれる方に共通するのが、事例企業の状況に沿った解答ではない、言い換えれば「どんな会社にでもなんとなく当てはまる」といった解答になっているということです。そのような解答の特徴は、限られた字数の中に多くの要素を詰め込んでおり、抽象的な言葉が多用されていることです。因果関係がないわけではない。しかし、この事例企業にだけ当てはまるものかといえば、そうとも言い切れない。だから「一般論的です」とコメントされるのです。
もう一つは、因果関係の条件そのものを満たしていない解答です。これも言い換えれば、「与件から導かれる助言内容はこれじゃないだろ」と指摘される解答内容です。一般的に、因果関係は①因が果に時間的に先行していること②因の変化に伴って果も変化すること③果が起こる要因に因以外の要素がないこと が条件とされています。このうち、①と②を満たすことはそれほど難しくないですが、③の条件が満たされるかについては、慎重な検討が必要です。そのためには、事例企業に起こっている課題や問題の、一つ手前の原因を見つけ出し、解答で言及した因がその「一つ手前」につながるか評価することです。
皆さんの解答が、因果関係を踏まえた、事例企業にふさわしい内容かどうか、これらの基準から見直されてはいかがでしょうか。