2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験) 組織人事

平成27年度診断士2次試験の振り返り 事例Ⅰ その2

前回から若干時間が経ちましたが、事例Ⅰの振り返りを続けます。今回は、第3問について考えます。

第3問では、容器製造事業の、事例企業グループ全体の売り上げ全体に対する割合が60パーセントに成長したことが、将来的にもたらす経営上の課題について問われています。振り返りのその1で、容器事業は事例企業グループ全体に安定的な収益をもたらす事業となることが期待されていると述べましたが、容器製造事業はまさにその役割を果たしています。

一方、事例企業本社の事業のうち、自動車部品製造が60パーセントを占めていますが、この事業がグループ全体に占める売り上げシェアを計算すると、24パーセントです。つまり、事例企業をグループ全体で捉えたとき、関連企業の売り上げシェアが圧倒的という状況にあることがわかります。このような企業では、関連企業の本社に対する発言力や圧力が増加する可能性があることは、容易に想像できます。

関連企業の立場に立ってみましょう。皆さんが社員であれば、「俺たちがグループを支えているんだ」という自負が生まれるかもしれません。また、ここ最近の業績が伸び悩んでいることに対する不満が生まれるかもしれません。「俺たちが頑張っているのに、本社は何をやっているんだ」という愚痴もこぼしたくなるかもしれません。場合によっては、本社から完全に独立すべきだという意見が出てくることさえ考えられます。このような関連会社を抱える本社として考えるべきことは何でしょうか。

事例Ⅰが組織人事戦略事例であることを踏まえると、「グループ全体の一体感の保持」だと思います。本社も、自動車部品製造やスポーツ用品市場のシェア獲得などで頑張っていることは事実ですが、近年開始した健康ソリューション事業はまだ緒についたばかりです。まだまだキャッシュアウトフローを伴う経営が必要でしょう。であるからこそ、本社は自社の戦略をグループ全体に丁寧に説明して、グループの一体感を育む施策が必要になります。すなわち、多角化した事業の成長によるグループ全体の発展という事例企業の「方向性」を理解してもらうように、社長はリーダーシップを発揮しなければならないということです。

最後に、本問では「中小企業診断士として」という条件があえてつけられています。つまり、事例全体を俯瞰した上で、単に局所的な課題を提示するだけでなく、事例企業全体の経営の方向性を踏まえた内容を記述すべきです。そのことにも気をつけてください。

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