2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験) 生産戦略

平成27年度診断士2次試験の振り返り 事例Ⅲ その3

2次試験の振り返り事例Ⅲの3回目、第3問です。

第3問では、納期遅延の解消を目的とした生産管理のIT化の計画について、どのような納期管理とどのような情報の活用が求められているかが問われています。まず初めに、事例企業が計画しているIT化の内容は、受注処理、生産計画、生産統制、在庫管理の統合と、製造プロセス全般にわたるものです。また、IT化の目的である納期遅延の解消ですが、事例企業で納期遅延が発生しているのは、製品分野では農業機械部品や産業機械部品の製造です。工程では、機械加工工程での設備間の仕掛品移動が困難になっており、これも納期遅延の原因です。

まず前者から見ていきましょう。農業機械部品や産業機械部品の製造は、受注を受けてからの、いわゆる受注生産です。受注生産の管理ポイントといえば、確か納期管理でしたよね。それができていない理由は、生産計画が鋳造工程しか作られていないことと、鋳造工程の後工程で、段取り回数が最も少なくなるように、工程担当者が加工順を決めているというところから導けます。すなわち、生産計画が全行程の生産能力のバランスを見て作られているわけではなく、各工程の終了期限ではなく段取り回数が加工順の基準になっており、その決定権が工程担当者に委ねられているからです。

次に後者ですが、仕掛品在庫の散在により、仕掛品の設備間移動が困難なので、せっかく多台持ちで加工生産性を上げようとしても、生産リードタイムが短縮できません。また、機械加工の非稼働時間も問題です。空転や停止による非稼働時間が、機械加工工程の通過時間の半分以上を占めているのは、異状と言ってもいいでしょう。非稼働時間の多くが、段取り時間や製品脱着時の作業遅れから発生しているという問題を、なんとかして解決しなければいけません。

以上の情報をまとめると、まず納期管理の基本は、受注生産製品の生産計画を中心とした、全社的な生産計画を策定することです。その次に、生産能力の余力管理を正確に把握し、見込み生産品は機械加工工程の生産能力を基本として、余裕をもたせて余力生産することです。そのためには、マンホール蓋のような見込み生産品の受注情報を早期に入手し、社内に展開しなければなりません。また、各工程の仕掛品と稼働状況の情報を共有し、ボトルネック工程に過度の負荷がかからないような生産統制も必要でしょう。各工程の都合で生産するのではなく、全社的な生産統制の態勢をIT化で実現するのです。これらの点を問題の制約と題意に合わせてまとめれば良いと思います。

次回は、本事例企業の方向性となる、自動車部品製造について問われている第1問を振り返ります。

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