2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

2次試験あまのじゃく勉強法

今回は、私が実践したちょっと変わった勉強法、「あまのじゃく」勉強法を紹介します。
2次試験問題を解く場合、一般的には設問を読んで事例の内容に関する当たりをつけ、与件を読んで設問と紐付けます。それに対し、私の「あまのじゃく」勉強法は、全く逆のアプローチをします。それは、「与件から設問を作り出す」というやり方です。
あまのじゃく勉強法の目的は、事例企業の方向性と経営課題を見つける練習をすることです。方法は、はじめにこれまで解いたことがない初見問題を準備します。雑誌「企業診断」には毎月2次試験対策問題が掲載されていますから、それを使うのがいいでしょう。。
次に与件を読みます。ここでは回数を限定せず、与件文の内容が十分頭にインプットされるまで読みます。
続いて、与件から設問を3〜4問作成します。設問作成のときに心がけるのは、あたかも目の前に診断士がいるかのようにイメージアップして設問を作ることです。つまり、皆さんは事例企業の社長であり、与件に書かれている自社の現状を踏まえ、目の前の診断士に何を訪ねたいか考えるのです。
設問作成後、設問の解答を作成します。字数を決めて文章形式で作成してもよいですし、解答要素からなる骨子を作成するのでも構いません。
最後に、初見問題であらかじめ準備されていた設問と、自分が作った設問を比較します。設問が同じような内容であれば、事例問題の模範解答を参考に、自分の答案をおさらいします。異なる場合は、なぜ自分の設問は異なる内容だったのかについて考えましょう。
先ほどあまのじゃく勉強法の目的は、事例企業の方向性と経営課題を見つける練習と述べましたが、もし真の方向性や経営課題が理解できていたとするならば、それに関連する設問が準備されているはずです。たとえ方向性や課題そのものでなくても、それらを理解していれば自然と疑問に思うだろうという設問が考え付くことでしょう。例えば、事例Ⅱで、「この会社はターゲット顧客を明確にすることが課題である」と思ったら、「ターゲット顧客設定上の問題点は何か?」や「これまで明確なターゲット顧客を定めてこなかった理由は何か?」といった設問が浮かぶと思います。設問が考えつかない場合は、与件文の読み方がまだ質的に不十分だと言えます。また、自分で考えた設問が準備された設問と異なる場合は、方向性や課題の設定が想定されたストーリーから外れた内容か、または何か重要な解答要素を見落としている可能性があります。模範解答の解説を参考に、ズレや見落としを修正してください。
あまのじゃく勉強法は、社長や出題者側の視点からの勉強法です。全てをパーフェクトにカバーすることはできなくても、社長や出題者がどのような気持ちや考えなのかを考える訓練にもなります。与件の箱庭で解答するのが難しい方や、自分の固有知識や独特なロジックで解答を作ってしまう癖がある方も、一度おためしください。

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