事例Ⅳの傾向は、ここ数年同じようで、29年度も昨年より解きやすい(易しい)のではと思えます。たぶん多くの人が高得点を取っていると思います。(相対評価の可能性が高いため得点=評価とはいえないかもしれませんが)
H29年度も、事例Ⅳで確実にA評価を得ないと合格は難しいのかもしれません。
そこで、問ごとの傾向と対策を書いてみますので、特にA評価を得られなかった人は是非読んでみてください。
問1
いつもの財務指標の問題で配点は25点。この傾向はたぶん変わらないと思います。診断士にとって財務分析は必須です。今年は、どうしても自己資本比率や債務比率に目が行く中で非支配株主分を処理できるかどうかです。
【対策】
予備校の模試や解説の把握。お勧めは「ビジネス会計検定試験 公式テキスト2級」です。財務分析だけでなく、CF、連結について学べます。テキストの中にある問題集だけでもボリュームあるので検定試験を目指すのでなければこれで十分です。
問2
基本的なPLとCVPの問題です。強いて言えば、設問3は単純な損益分岐点売上高を出すのでなく、発電量の40百万kwhは決まっているので変動費の700百万は変わらないことです。すぐに気づけば答えはすぐに出ます。ここは満点を狙いたいところです。CVPは必須です。今年は簡単でしたが、来年はもっとひねった問題がでるかもしれません。
【対策】
徹底した演習を行うことと、問題を解くときは丁寧にPLを作ることです。決して試験用紙の隅っこや簡略して書かないことです。80分は結構あります。丁寧にPL(売上、変動費、限界利益、固定費、利益)をきっちり書きましょう。省略はNGです。
お勧めの問題集はTAC「事例Ⅳ問題集」です。非売品なので、手に入れるのいは無づかしいかもしれませんが。最低でも3回は回しましょう。後は「意思決定会計講義ノート」のCVPと意思決定会計(NPV)だけでも最低2限目までは行いましょう。良い問題集が少ないので、過去問、模試など繰り返し行い解答方法を暗記してしまいましょう。
問3
ここも基本的なCFとNPVの問題です。間違うとすれば、処分費用の10百万をどう扱うかですが、これも与件の読み落としがなければ問題ないと思います。また、設問2の割引回収期間が思いつくかどうかも難しいところですね。たんなる回収期間の場合の点数が気になります。(ゼロ、減点、満点?)回収期間は過去でも問われたことがあったと思います。利子の処理も無くここは最低でも9割は確保しましょう。
【対策】
問2と同じく徹底した演習を行うことと、問題を解くときは丁寧にPLを作ることです。NPVの解説はMMCが一番わかりやすいと思っています。MMC解説書のP51(添付します)を試験中に試験用紙の裏側に書くことです。時間がないことは絶対ありません。なぜなら考えて書くのでなく機械的に仕上げていくからです。徹底して機械的に仕上げられるようにトレーニングしてください。
問4
毎年、新しい傾向の問題が出ますが、この新しい問題が出題されるのも傾向です。親会社の利益計算はできなくても、3問とも記述です。はったりでもなんか書いて28点中5割を目指しましょう。悪くても4割。でも連結関係は出るのではとここ数年言われていたので多くの人は出来ているかもしれません。ネクストでも井澤OBが出る、出ると言っていました。
【対策】
過去もわけのわからない問題が出ています。その時は与件を読みなおしましょう。与件にヒントがあります。そして埋めましょう。