2016年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験) 組織人事

インテリジェンスとして理解するための読み方(1)

以前、与件をインテリジェンスとして理解することの重要性に触れましたが、実際にどのように読めばよいのか、実際の問題を使って見ていきましょう。どの事例でもよいのですが、解答の手がかりが最も見つけにくい、組織人事事例(事例I)を使います。年度は平成25年度です。

平成25年度の事例Iは、サプリメントを販売する会社の事例です。まず初めに認識しなければならないのは、この事例が組織人事事例であるということです。意外でしょうが、こんな基本的なところが本番では頭から飛んでなくなってしまうことがあります。つまり、「この企業は経営上、人や組織に問題や課題を抱えているんだな」という見立てを真っ先にするのです。これにより、解答内容が何らかの形で人や組織の問題や課題の解決と繋がったものとなる確率が上がります。

次に、設問読みに移ります。第1問は以下のとおりです。

第1問(配点 35 点) A社は、ここ数年で急速に事業を拡大させている。以下の設問に答えよ。

(設問1) A社のこれまでの成長を支えた、健康食品の通信販売事業を長期的に継続させていくために必要な施策として、新商品の企画や新規顧客を開拓していくこと以外に、 どのような点に留意して事業を組み立てていくことが必要であるか。80 字以内で答えよ。

(設問2) A社は、急速な事業拡大にもかかわらず、正規社員の数を大幅に増員せずに成長を実現してきた。今後もそうした体制を維持していく上で、どのような点に留意し ていくべきか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。

まず、本問の配点は35点であり、本問の得点が大きなウエイトを占めています。合格のためには、落とすわけにいかない問題です。次に、リード文を読むと、事例企業は「ここ数年で」「急速に」事業を拡大させているとあります。こうした記述を読んだ際、「数年前より昔はどのようなビジネスをしていたのだろうか?」「なぜ急速に事業拡大したのだろうか?」と考えます。与件をまだ読んでいませんから、具体的な解答を考える必要はありません。押さえるべきは、数年前に成長上の重要な結節点があったこと、数年前を境に、ビジネスに何らかの変化が起きた可能性があることを意識することです。

その結節点を超えて、事例企業は急速な成長のステージに移行しました。ここでもう一つ意識しなければいけないのは、この事例企業にとっての「成長」とはどのようなものかということです。売上が増大したのか、組織が大きくなったのか、この時点で幾つかの仮説を考えておきます。これも当然のことですが、与件をまだ読んでいないので、具体的な解答を求める必要はありません。あくまでも成長の絵姿の仮説を立てるだけです。そうすることで、どのような情報があれば「売上の増大による」成長を確かめることができるのかがはっきりします。そうした情報が与件で見つからなければ、ここで言う成長とは「組織の拡大」を意味する可能性が高まります。その上で、組織拡大に伴い設問1と2の課題にどう取り組むかを考えればよいと理解できます。

リード文一つとっても、単に事例企業が数年前から急速に成長してきたという事実だけでなく、その事実から分析・考察すべき要素が具体的に見つかります。このような理解を、インテリジェンスとして理解することと表現します。次回は、このリード文を踏まえ、設問1と2を読んでみます。

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