私は平成25年と26年の2回、二次試験を受験しました。それまでは、ねくすと勉強会で、過去問を中心に演習を続けてきましたが、この2年間の受験で気付いたことがあります。それは、今の二次試験は、テクニック依存では解けない内容になってきているということです。言い換えれば、事例企業が抱える課題を構造的に分析して見極めなければ、合格レベルに達する答案の作成が難しいということです。
例えば事例2では、平成26年に、デシル分析の結果から、ターゲットとすべき顧客層を導き出させるという問題が出ました。デシル分析という、大半の受験生が目にしたことのない消費分析手法に面食らったかと思います。私もそうでした。あえて詳細には触れませんが、その示唆するところは極めてシンプルです。ここでは、介護付きツアーを複数回利用する顧客をターゲットとします。
それでは、介護付きツアーを複数回利用してくれる顧客層にもっと利用してもらうために、どのような手を打つべきでしょうか。ここで、事例企業の課題を見てみると、介護付きツアーに参加できる介護技能を持った社員を増やすこともありますが、その前提として、介護付きツアーの顧客になってくれる顧客層をどのようにして厚く(単価と人数の両面で)するかという課題があると思います。その中には、これまで介護付きツアーを複数回利用した顧客もいれば、これからその顧客層に入るであろう「予備軍」がいます。予備軍には、まず介護付きツアーに参加してもらって、その良さを理解してもらい、願わくば複数回利用する顧客になってもらいたいものだと思います。そんなターゲット層と予備軍にどのようにアプローチすべきか、そして事例企業が採れる打ち手の中で、最も実行可能性と効果が高いものは何かが、第2問と第4問で問われているのです。
単なる事例要素の抜書きや裏返しでは、社長にウンと言ってもらえる解答にはなりにくいでしょう。