2015年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験)

方向性と経営課題がわからないのは、なぜ?

受験生へのアドバイスの中でよく聞く言葉のひとつが、「方向性や経営課題がわからない」です。与件文のSWOT要素の拾い出しはちゃんとできている。でも、「経営課題はなんですか?」と尋ねると、弱みや脅威の裏返しを返すだけという状態です。例えば、「人がいないことを改善する」や、「消費者の嗜好の変化に合わせて標準品を作る」といった具合です。そこでもう一度、「それが真の経営課題ですか」と尋ねると、自信なさそうに黙ってしまう。方向性については、今事例企業がやっていることをなぞっているだけというケースもあります。そのようなことが起きる理由は何でしょうか。

一言で言うと、「事例企業の理想形をちゃんと設定できていない」ことが理由です。どのような会社に成長する、または今の危機をどのように回避するといったことについて、理想の絵姿がないので、具体性と実行可能性を満たす方向性が打ち出せず、理想と現実のギャップが見えにくくなっているのです。経営課題とは、そうしたギャップを克服して目標を達成する、あるいは方向性に沿った企業に変革するために「やらねばならないこと」ですから、定められた方向性の質が、経営課題の質を決定するのです。

平成26年事例Ⅰの企業の方向性は何でしょうか。結論からいえば、「本格的な研究開発型企業への変革」です。その方向性を踏まえて考えられる経営課題は、「高い技術力と生産力を投入して、継続的にオリジナルな製品を開発製造できる体制を構築すること」でしょう。その手段として、「高学歴社員の管理」、「新たな組織管理上の課題の抽出」、「研究開発資金の獲得」などがあり、それらをどのように実行するかが各設問で問われているのです。

それでは、方向性と経営課題はどのようにして見つければよいのでしょうか。まず方向性ですが、外部環境の成長余地に企業を適合させて成長させるというのが原則です。よく言われる「クロスSWOT」のS×Oですが、ここで気をつけなければいけないのは、いくら魅力的なOであっても、現在のSや、努力次第で達成可能なSがなければ、方向性で取り込むOにはなれないということです。危機回避事例であれば、事業存続にとって最も緊急性が高い問題をSで克服するか、またはWを改善して状況のさらなる悪化を防ぐことが方向性になります。

経営課題の求め方ですが、経営課題とは方向性を実現するためにやるべきことですから、まずは何ができていないのか、何が方向性実現の足を引っ張っているのかを洗い出します。そのあと、そして、洗い出した事項を①方向性実現のため必ず解決しなければいけない事項②他の手段で対応可能または緊急性が低い事項、に分類します。このうち①を解決するために実施すべきことが、経営課題です。

この事例であれば、方向性である「本格的な研究開発型企業への変革」と、経営課題である「高い技術力と生産力を投入して、継続的にオリジナルな製品を開発製造できる体制を構築すること」を常にセットとして、各設問の解答内容がこれらにどのようにつながっていくのか、与件情報が方向性や経営課題をどのようにサポートしていくのかを分析してください。そうすれば、一貫性と説得力がある答案が作れるはずです。

二次試験まで20日を切った今、皆さんは本番の戦い方を固めるフェーズにいます。これまで多くの事例を回してきた方も、そうでない方も、これからは事例をじっくりと嚙みしめるような勉強が必要になってきます。

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