一次試験おつかれさまでした。これからは、10月の二次試験に向けた準備が始まります。 そこで、二次試験に向けて今留意すべきことについて、いくつか触れてみたいと思います。
第一に、一次試験と二次試験では、求められる内容が違うということを確認する必要があります。一次試験は、二次試験を受験する能力がある者を選抜するための試験ですから、評価基準は知識の有無が中心です。ですので、合格基準である「総合計の60パーセント以上かつ1科目も40点未満の科目がないこと」という基準で一律に評価されるのです。一方、二次試験は、一次試験の知識を活用して、事例企業の経営課題に対し適切な分析と助言を与える「応用能力」を評価する試験です。ですので、単に一次知識を披露するだけだったり、自分のオリジナルな考え方を一方的に当てはめて解答するといったことでは、合格レベルへの到達は困難であると言えるでしょう。まずはその基本を確実に押さえるようにしてください。
次に、二次試験の問題を、各事例について目を通しておくことが大事です。特に、今回初めて受験される方は、二次能力が各事例をどのように解いたらよいか自信がないかもしれませんが、まずは企業小説を楽しむような感覚で、与件文と設問文を読んでみてください。そこで重要なのは、①一連の設問を読んで、事例企業の経営課題は何かを推測すること、②与件文を読んで、事例企業の社長が何をしたいのかを読み解くこと、です。二次試験の勉強を進めるにつれ、答案を作ることに意識が向くあまり、二次試験の基本である、以上二点の意識がおろそかになることがあります。そうならないためにも、まっさらな今の時期に、上の二点を意識して事例を読む訓練をしてみてください。答案の書き方の訓練をする時間はまだまだ十分にあります。
最後の留意点は、自分自身の書くスピードを認識することです。答案を書くのに必要な時間は、いわば解答における「固定費用」です。二次試験の3要素は「読む•考える•書く」ですから、読むや考えるに時間がかかる方は、必然的に書く時間をコントロールしなければなりません。その前提として、自分自身の書くスピードを理解することが大事です。新聞や雑誌の記事を一定の文字数で書き写すのにかかる時間が、皆さんにとって最速の「書くスピード」です。
まだまだアドバイスはありますが、それは追ってこのコラムで触れていきたいと思います。より突っ込んだ技術やかんがえかたを身に付けたい方は、明日までねくすと勉強会は新規会員を募集していますので、ご連絡いただければと思います。