2015年 コラム・つぶやき 勉強法(二次試験) 組織人事

事例別のポイント 事例Ⅰ 組織・人事戦略(2)事例企業の成長ステージをよく見ること

組織・人事事例のポイントの2回目は、事例企業の成長ステージについてです。企業経営理論では「企業のライフサイクル」とよばれるあれです。

平成26年事例1第2問では、事例企業の製品が主力製品とならなかった理由が問われています。この問いを、組織・人事事例的に考えれば、どのような結論が得られるでしょうか。

事例企業は創業後、大学や研究機関の注文に対し、顧客の期待を超えるアイデアで製品開発してきました。その結果、2、3年は商品として売れたとしても、その後代替品の出現や技術革新によって、商品の受注がなくなるようになりました。この会社は、決して開発力のない会社ではありません。逆に、社長がほぼ一人で顧客の期待以上のアイデアを形にした商品を世に出してきている優良会社だといってもいいでしょう。

主力製品とは、PPMでいえば「花形」か「金のなる木」に該当する製品です。また、企業にキャッシュインフローをもたらす製品だともいえるでしょう。そのようにならなかったということは、市場が大きくならなかったか、市場シェアが取れなかったか、価格競争が激しくなり収益性が低下したか、という状況の発生があったことは想像できます。代替品の出現は、価格競争の激化につながりますし、技術進化は、相対的に旧技術による製品の市場縮小を引き起こすでしょう。何れにしても、主力製品化にとって大きな壁となります。

では、なぜそのようなことが起こったか。その理由として考えられるのは、事例企業が開発型企業でありながら、その実は製品の「請負製造業」だったことです。すなわち、自社の技術やアイデアで、得意先の需要を掘り起こすことができなかったからです。このことを企業の成長ステージで考えると、誕生期の企業のまま、請け負ったものを開発製造し濃集していただけの会社にすぎなかったということです。だからこそ、社長は高学歴の人材や、生産技術を持つ人材の中途採用により、この企業の成長ステージを、開発提案ができる「成長期」にもって行こうとしたのだと言えます。そして、技術力と生産力がともに整い、近年になって良品率の向上が実現するなど、成長期にふさわしい企業になっていったのだと言えます。

このように、組織・人事戦略は、企業の成長ステージと密接に関係しています。「戦略が組織を決める」と同時に、「成長ステージが戦略を決める」のです。成長ステージに合致した経営戦略なくして、企業の成長・発展はありえないのだと思います。

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