二次試験に苦手意識を持つ人の中には、特定の事例が苦手だというものがあります。その理由を考えてみると、大きく二つあると思います。
一つは、仕事上の経験がなかったり、一次知識が不十分で苦手だというものです。このケースでは、知識を地道に習得したり、メディアを活用してイメージアップを図るという方法があります。私も事例Ⅲが苦手だったので、中小企業の工場に関するドキュメンタリーを見たりしました。テキストの知識だけだと、なかなかイメージが湧かないんですよね。
もう一つは、事例のカテゴリーで解答を統一しなければいけないと考えることです。事例Ⅰであれば、すべての設問を、組織人事戦略色で書かなければいけないと考えることです。これについては、我が勉強会でもさまざまな意見がありますが、私はそれほどとらわれるべきではないと考えます。組織人事のことを聞かれているのに、そのことを全く書かないというのは非常識ですが、全体のストーリーの中で、あるいくつかの設問の解答に組織人事のことが含まれていないことがクリティカルだとは思いません。要は、解答全体として、組織人事的アプローチで経営課題を解決できるようなものになっているかが重要だと考えます。
二次試験の4事例全部が得意だという方は、それほど多くはないでしょう。むしろ、どこかに不安を抱えながら受験される方が大多数だと思います。不得意を克服することは理想的ですが、不得意なりの戦い方を準備しておくことは有意義です。